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毒を食らわば皿まで

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精神障害者雇用の現状(厚生労働省「平成28年障害者雇用状況の集計結果」より)

はじめに


平成30年4月1日、「障害者の雇用の促進等に関する法律」(以下 障害者雇用促進法)が改正され、精神障害者も法定雇用率の算定基礎対象へ加わることとなる。
それを踏まえて『精神障害者の雇用・就労』をテーマに、いくつかに分けてエントリーを書こうと思う。
このたびは、第一段として『精神障害者雇用の現状(厚生労働省「平成28年障害者雇用状況の集計結果」より)』と題し、厚生労働省「平成28年障害者雇用状況の集計結果」を基に、精神障害者雇用の現状をわかりやすく伝えたい。
詳細なデータものせているが、「結論から述べれば」もしくは太線とまとめだけ読めばおおむねわかるように書いたつもりだ
ちなみに第二段は『精神障害者雇用の現状 (ハローワーク「平成27年度・障害者の職業紹介状況等」より)』と題し、ハローワーク「平成27年度・障害者の職業紹介状況等」を基に、精神障害者雇用の現状をお伝えするつもりだ。

 

 

結論から述べれば


障害者雇用全体・精神障害者雇用共に増加傾向で順調に推移している。

まず、障害者雇用全体。
民間企業・公的機関共に雇用障害者数は前年より増加し、13年連続の過去最高を記録、実雇用率も前年より増加し、5年連続の過去最高を記録している。また、法定雇用率達成企業の割合も前年より増加している。
企業規模別の雇用障害者数、実雇用率、法定雇用率達成企業の割合、いずれも前年より増加している。また、産業別のそれもおおむね増加傾向である。

次に、精神障害者雇用。
精神障害者雇用者数は、平成18年から平成28年まで一貫して増加しており、伸び率は21倍を示している。その伸び率は身体障害者の1.38倍、知的障害者の2.39倍を大きく上回る顕著なものである。
また、平成30年4月1日から精神障害者も法定雇用率の算定基礎対象へ加わることから、今後、民間企業における精神障害者の雇用は増加が見込まれる。

厚生労働省「平成28年障害者雇用状況の集計結果」からみる精神障害者雇用の現状

 

民間企業における障害者の雇用状況

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■民間企業
民間企業とは、50人以上規模の企業を指す。

■雇用障害者数
雇用障害者数とは、その年に雇用された障害者の人数
平成28年の雇用障害者数は474,374人。前年より4.7%(21,240人)増加し、13年連続で過去最高を記録した。

雇用障害者の内訳は身体障害者327,600人(前年より2.1%増)、知的障害者104,746人(前年より7.2%増)、精神障害者42,028人(前年より21.3%増)と、いずれも前年より増加した。特に精神障害者の伸び率の大きさが目立った。

■実雇用率
実雇用率とは、企業の従業員数に占める雇用障害者数の割合
ちなみに法定雇用率とは、障害者雇用促進法で定められた民間企業および公的機関が雇用しなければならない障害者の割合。民間企業の法定雇用率は2.0%
平成28年の実雇用率は1.92%。前年1.88%より増加し、5年連続で過去最高を記録した。

 

<民間企業における障害者雇用全体のまとめ>
平成28年の雇用障害者数は前年より増加し、13年連続の過去最高を記録した。その中でも精神障害者の伸び率の大きさが目立った
平成28年の実雇用率は前年より増加し、5年連続の過去最高を記録した。

<民間企業における精神障害者雇用のまとめ>

雇用障害者全体数に占める精神障害者の割合は9%である。身体障害者は69%、知的障害者は22%と比べるとかなり少ない。
しかし、精神障害者雇用者数は平成18年から平成28年まで一貫して増加しており、その伸び率は21倍を示している。その伸び率は身体障害者の1.38倍、知的障害者の2.39倍を大きく上回る顕著なものである。
また、平成30年4月1日から精神障害者も法定雇用率の算定基礎対象へ加わることとなる。
以上2点から、今後、民間企業における精神障害者の雇用は増加が見込まれる


ちなみに平成28年度公的機関(法定雇用率2.3%、都道府県などの教育委員会は2.2%)における障害者雇用の状況は、

・国
雇用障害者数7,436人(前年は7,371人) / 実雇用率2.45%(前年も2.45%)

・都道府県
雇用障害者数8,474人(前年は8,344人) / 実雇用率2.61%(前年は2.58%)

・市町村
雇用障害者数26,139人(前年は25,913人) / 実雇用率2.43%(前年は2.41%)

・教育委員会
雇用障害者数14,448人(前年は14,216人) / 実雇用率2.18%(前年は2.15%)

・独立行政法人
雇用障害者数9,927人(前年は9,527人) / 実雇用率2.36%(前年は2.32%)

となっており、公的機関も民間企業同様、雇用障害者数・実雇用率共にほぼ前年を上回っている

企業規模別実雇用率

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・1,000人以上の企業
前年:2.09% → 今年:2.12%

・500~1,000人未満の企業
前年:1.89% → 今年:1.93%

・300~500人未満の企業
前年:1.79% → 今年:1.82%

・100~300人未満の企業
前年:1.68% → 今年:1.74%

・50~100人未満の企業
前年:1.49% → 今年:1.55%

 

<企業規模別実雇用率のまとめ>
企業規模別の実雇用率は、すべての企業規模において前年より増加している。
企業規模別の実雇用率の高さは企業規模に比例している。
1,000人以上の企業を除いては、実雇用率が法定雇用率2%を上回っていない


ちなみに企業規模別雇用障害者数は、

・1,000人以上の企業
前年:227,147人 → 今年:236,943人(構成比50%)

・500~1,000人未満の企業
前年:54,780人 → 今年:57,069人(構成比12%)

・300~500人未満の企業
前年:41,550人 → 今年:43,378人(構成比9%)

・100~300人未満の企業
前年:88,406人 → 今年:93,480人(構成比20%)

・50~100人未満の企業
前年:41,249人 → 今年:43,503人(構成比9%)

 

<企業規模別雇用障害者数のまとめ>
すべての企業規模において雇用障害者数は前年と比べ増加している。
雇用障害者数の50%を1,000人以上の企業が占めている。次いで100~300人未満の企業が20%。500~1,000人未満の企業の12%、300~500人未満の企業・50~100人未満の企業の9%と続く。

 

 

企業規模別達成企業割合

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全体では法定雇用率達成企業の割合は48.8%と前年47.2%より増加している。
企業規模別の法定雇用率達成の割合は、

・1,000人以上の企業
前年:55.0% → 今年:58.9%

・500~1,000人未満の企業
前年:44.6% → 今年:48.1%

・300~500人未満の企業
前年:44.0% → 今年:44.8%

・100~300人未満の企業
前年:50.2% → 今年:52.2%

・50~100人未満の企業
前年:44.7% → 今年:45.7%

 

<企業規模別達成企業の割合のまとめ>
全体の法定雇用率達成企業の割合は48.8%前年より増加している。
法定雇用率達成企業の割合は、すべての企業規模において前年より増加している。

 

産業別実雇用率

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■実雇用率が法定雇用率2%を上回っている産業

「医療・福祉(2.43%)」 → 「農、林、漁業(2.14%)」 → 「生活関連サービス業、娯楽業(2.11%)」 → 「電気・ガス・熱供給・水道業(2.05%)」 → 「運輸業、郵便業(2.00%)」 → 「法定雇用率(2.00%)」

■実雇用率が法定雇用率2%を下回っている産業
「製造業(1.98%)」 → 「金融業、保険業(1.94%)」 → 「全体(1.92%)」 → 「サービス業(1.91%)」 → 「宿泊業、飲食サービス業(1.83%)」 → 「複合サービス事業(1.82%)」 → 「卸売業、小売業(1.74%)」 → 「建設業(1.72%)」 → 「学術研究、専門・技術サービス業(1.70%)」 → 「情報通信業(1.63%)」 → 「不動産業、物品賃貸業(1.61%)」 → 「教育・学習支援業(1.56%)」

 

<産業別実雇用率・雇用障害者数のまとめ>
産業別の実雇用率は「学術研究、専門・技術サービス業」以外、すべての産業で前年よりも増加している。
産業別の雇用障害者数は「鉱業、採石業、砂利採取業」「学術研究、専門・技術サービス業」以外、すべての産業で前年よりも増加している。

 

産業別達成企業割合

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「医療・福祉(61.8%)」 → 「製造業(56.6%)」 → 「運輸業、郵便業(54.4%)」 → 「全体(48.8%)」 → 「建設業(48.1%)」 → 「サービス業(45.7%)」 → 「複合サービス事業(45.2%)」 → 「電気・ガス・熱供給・水道業(44.8%)」 → 「宿泊業、飲食サービス業(43.8%)」 → 「生活関連サービス業、娯楽業(42.5%)」 → 「金融業、保険業(41.1%)」 → 「教育・学習支援業(38.7%)」 → 「卸売業、小売業(37.7%)」 → 「学術研究、専門・技術サービス業(34.8%)」 → 「不動産業、物品賃貸業(34.7%)」 → 「情報通信業(26.8%)」

 

<産業別達成企業割合のまとめ>
産業別達成企業割合は、「複合サービス事業」「電気・ガス・熱供給・水道業」以外、すべての産業で前年よりも増加している。
法定雇用率未達成企業の状況は、①平成28年の法定雇用率未達成企業は45,790社。そのうち、1人不足企業(不足人数が0.5人~1人である企業)が66.4%と過半数を占める。②0人雇用企業(障害者を1人も雇用していない企業)が、未達成企業に占める割合は58.9%となっている。

 

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