毒を食らわば皿まで

アダルトチルドレン(AC)・吃音症・社交不安障害(SAD)・依存症・うつ病の方、また、心を病むすべて方へ

自己紹介

「このブログ、何者が書いてんのよ?」ということで、遅ればせながらザックリ自己紹介をさせていただきます。 

 

自己紹介

東京在住、アラフォー男性。

現在は中小企業診断士として、中小企業への経営支援を行なっています。
中小製造業でのキャリアが長かったことから、専門は製造業。
他、組織・人事、メンタルヘルス領域を得意としています。

吃音症・社交不安障害(SAD)、ギャンブル依存症、うつ病、アダルトチルドレン(AC)当事者。
自閉症スペクトラム症(ASD)/注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーン。

当事者研究に興味があり、当事者研究会へちょくちょく顔を出しています。

趣味は読書、神社仏閣巡り、御朱印集め
音楽はSuchmos、THEイナズマ戦隊

 

病歴 


吃音症・社交不安障害(SAD) 

幼少期に発症。
幼稚園の先生へ水着を忘れたことを告げるとき、どもったのが私の最も古い吃音の記憶です。小中学校・高校では多少からかわれることこそあったものの、さほど気にすることなく過しました。
しかし、社会へ出た20代前半から半ばにかけて、吃音をこじらせ、二次障害として社交不安障害を発症。
現在は、吃音の症状こそなくなっていませんが、以前ほどどもることなく、またどもる恐さもなく、人との会話、電話応対、大勢の前で話をすることができるまでに回復しています。 
 

ギャンブル依存症

二十代前半に発症。依存対象はパチスロ。
トータルで1,000万円近くをパチスロで溶かした重度のギャンブル依存症者でした。
ピーク時のエピソード。200万円を消費者金融数社から借り、多重債務者となる。その借金は、両親へ泣きつき完済。しかし、それでもパチスロへの依存は止まらず、400万円の借金を作り、再度多重債務者となる。その400万円が「底つき」となり、弁護士事務所を介し任意整理を行ない借金を一本化。グレーゾーン金利をカットした上で、数年をかけて全額を返済しました。
その後、複数回スリップを経た後、現在は回復。

うつ病 

三十代前半に発病。
発病から社会復帰まで、計三年半を要しました。
発病から半年で会社を退職、二年間の自宅療養生活を送る。
良化の糸口が見つかってからは、スポーツジム・職業訓練制度へ通い、リハビリを行なう。そのとき、うつ病は寛解。
その後、数ヵ月のアルバイト生活を経て、無事社会復帰を果たしました。
※くわしくは、うつ病闘病記に書いています。

アダルトチルドレン(AC)

機能不全家族育ちのアダルトチルドレン。
「完璧主義」「白黒思考(全か無か思考)」「自己肯定感の欠如」「成功体験が自信につながりにくい」「他人と親密な関係を築きづらい」などの問題を抱えています。

自閉症スペクトラム(ASD)/注意欠陥多動性障害(ADHD)

未診断のグレーゾーン。
「もしかしたら、自分の生きづらさは発達障害なのではないか?」と気付いたのが、つい最近のこと。
自分の生きづらさを発達障害という枠でくくるとキレイにおさまること、亡くなった父が自閉症スペクトラム(ASD)/注意欠陥多動性障害(ADHD)であったことから、自身の発達障害を疑いました。
前回の診察で主治医へ相談すると、主治医は「たかむらさんの生きづらさは、アダルトチルドレンという心理学的な面、発達障害という生物学的な面、二つが織り交ざったものだと思っていました。」とおっしゃっていました。ただ、決して重いものでないことから、診断はおすすめしないと言われている。
今は、次回の診察日に、私が発達障害により抱えているだろう生きづらさをまとめたものを主治医へ提出し、今後診断が必要か、不必要か?どのように生きづらさを解消して行くか?を探って行こうという段階です。(2017年7月4日現在)



編集後記

本当は趣味、好きな音楽から女性の好み、性癖まで惜しげもなく書いたのですが、今の段階では、まだ身バレが怖いのでそのほとんどを消した屁タレは私です。

心のシャッターを閉ざしてしまう話

シャッターの研究

 

人に不快なことを言われ、この人「嫌い!」「無理!」となり、心のシャッターを閉じてしまう。以後、その人の言うことすべてが受け入れられなくなってしまう。

誰しもそのような経験があると思います。

このたび、そのようなことを「シャッターの研究」と題して、当事者研究をおこないました。

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なぜ、シャッターの研究をしたいと思ったのか?


ここ数年、私の身の上に、心のシャッターを閉ざし、人との関わりを断ってしまう。
そのようなことが続きました。
また、年々、心のシャッターを閉ざすスピードが早まり、頻度もが増えている自覚がありました。


心のシャッターを閉ざすことが悪いことだとは思いません。
しかし、心のシャッターを閉ざしてしまう自分自身に問題があると自覚しており、果たしてこのままでいいのだろうか?と思っていました。

そこで、

なぜ、心のシャッターを閉ざしてしまうのか?
心のシャッターを閉ざさずに済む方法はないか?
一度閉ざした心のシャッターを開ける方法はあるのか?

の三つについて当事者研究してみようと思うに至りました。


 

なぜ、心のシャッターを閉ざしてしまうのか?

 

私が心のシャッターを閉ざしてしまう理由は三つあります。


一つは、自分自身を守る防衛のためです。
これ以上こんなことを言われ続けたらたまったものじゃない、だからシャッターを閉じ、その人の言うことをシャットアウトしてしまうといったケースです。
たとえば私は「ポジティブ教」「絶え間なくPDCAサイクルを回せ」「一方的な価値観を押しつけられる」などされると心のシャッターを閉ざしてしまうことが多いです。


二つ目は、その人と分かり合うことを諦めてしまったためです。
自分とかけ離れた価値観を持つ人に対して、「この人とは分かり合えない」と分かり合うことを諦め、心を閉ざしてしまうケースです。


三つ目は、人を見下すためです
これは当事者研究会では話していない内容で、後に私が内省した内容です。
見下すとは「あなどって相手を下に見る、みさげる」ということであり、社会では良くないこととされています。
しかし、見下すということが、私の中ではわりと頻繁に起きているように感じます。
いいも悪いも人を見下すということは、自分自身気付いていないだけで、わりとナチュラルにおこなわれていることなんじゃないかな?と思ったりもします。


たとえば、私は仕事の関係で、いわゆる「先生」と呼ばれる方のお話を聞く機会が頻繁にあります。
しかし、その先生の言うことが、事実と異なっていたり、信憑性に欠ける場合、「この人の話はもう聞く価値がない」と一瞬で心のシャッターが閉じてしまい、瞬く間にその先生の話を聞く気が失せて行きます。

「こんなことも知らない、調べないなんて専門家としてどうなのだろう」という思いが背景にあり、人として見下しているというよりも、専門家として見下しているのだと思います。


以上、私が心のシャッターを閉ざしてしまう理由を三つ述べました。
あなたと共通点はありましたか?
あなたが心のシャッターを閉ざしてしまう理由は何でしょうか?


しかし、昨今、シャッターを全開にして他者とコミュニケーションを取る人は極めて稀なのではないでしょうか?
この人は気の許せる親しい友人だから、ここまで話してもOK、だけどこの人は会社だけのお付き合いだから、ここまでしか話さないでおこうと、ある一定の線引きをすることは誰にでもあると思います。
現実は、誰しも人との関係性や親しさに応じてシャッターをどれくらい開けてコミュニケーションを取るかを調整しているのではないでしょうか。


 

心のシャッターが閉ざされるメカニズム



メカニズムというほど、たいそうなものではありません。
私が心のシャッターを閉ざしてしまう流れを表にまとめました。

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心のシャッターを閉ざさないためには、また、一度閉ざした心のシャッターを開くには、どこへアプローチする必要があるのでしょう?

まず、心のシャッターを閉ざさないためには、すでにステップ3で心のシャッターが閉じてしまっているため、ステップ1・ステップ2へアプローチする必要がありそうです。

次に、一度閉ざした心のシャッターを開くには、心のシャッターを閉ざしてしまったステップ3以降へアプローチする必要がありそうです。

以下、当事者研究でメンバーから出た意見や対処方法、それに対しての自分の見解を私なりにまとめて行きます。


 

心のシャッターを閉ざさずに済む方法はないか?

 

 

なぜ、その人がそう言ったのか意図を聞いてみる


文字通り、言った相手に言ったことの真意を問うことです。

人の言ったたことに対し不快と感じるのは、相手の言ったことに悪意がある場合、相手の言ったことを自分が歪んだ解釈をしてしまっている場合の二つに分けられます。
相手に落ち度があるか、自分に落ち度があるかです。
ですので、相手に悪意があったのか、なかったのか?自分の解釈が正しいか、正しくないか?また、相手がなぜそんなことを言ったのか?を確認するために、人に意図を聞くのです。

しかし、人のそのような言葉は意図せず不意に来るものであって、言われた瞬間に「嫌!」「無理!」となってしまったり、また頭が真っ白になってしまうこともあり、言われてすぐ意図を聞くことは難しいかもしれません。また、人にそう聞くことで「うざいやつ」「面倒臭いやつ」と思われてしまうかもしれませんし、時・場所・場合によっては「とてもでないが聞けない!」ということもあり、その部分が人に意図を聞く難しさだと思います。

 

ぶつかり方を考え直してみる

 

不快なことを言われ、「コイツ無理!キィーーー!」となってしまったときの自分を、一度冷静に観察してみてください。
言われた不快なことに対して、ガチになっていませんか?真正面からぶつかってしまってはいませんか?距離が近くなり過ぎてはいませんか?
私がそうなってしまう場合、ガチで真正面から、それも近い距離でぶつかってしまっている気がします。
あなたはどうでしょうか?


もし、ガチでぶつからなければ、真正面から相手にしなければ、距離を少し取ることができれば、「嫌!」「無理!」とならずに、心のシャッターを閉じずに済むかもしれません。

以下、当事者研究で出た、そうならないためのアイデアです。


例として、あなたが上司の花形課長に怒られている場面を想定します。

1.「また花形劇場が始まった…」
あなたが花形課長に怒られている場面を、客観視するというか、幽体離脱したもう一人の自分が見ているというか、まるで劇を観ているかのように見てみてはどうかというアイデアです。

2.「ショートコント」
花形課長から怒られる直前に、心の中で「ショートコント」と言うことで、これからあなたが花形課長に怒られる場面をショートコントにしてしまおうというアイデアです。
1.の劇にしてしまおうというアイデアの類型です。

3.花形課長の語尾を、すべて「~だにゃあ」と猫語に脳内変換する
キツい物言いや強い言葉は、より心にダメージを与えます。
ですので、上司のキツい物言いや強い言葉の語尾を「~だにゃあ」と猫語にすることで、受けるダメージを減らしてはどうか?というアイデアです。
大勢の人前話す際、緊張するときは「人をかぼちゃだと思え」なんて言いますが、花形課長を脳内で猫にしてしまうのもアリだと思います。


この三つのアイデアに共通するのは、ガチで真正面から近い距離でぶつからないためのアプローチであり、あなたが不快と感じるセンサーを鈍らせることで「嫌!」「嫌い!」となりにくくするためのアプローチであるということです。

自分が不快と感じるセンサーが正常ではない、自分のセンサーの感度が高いという場合、心理療法の世界では認知行動療法が用いられるのがスタンダードでしょう。
認知行動療法を行なうことで、良い影響を与えない認知を根っこから修正する根治療法がベストなのは言うまでもありません。
しかし、これまで長年慣れ親しんだ認知を変えることは一朝一夕にできるものではありません。また、長い時間、そのサポートを専門家に依頼するとなると多額の費用も生じます。
しかし、このようなアイデアであれば明日からできるし、費用もかかりません。
もし参考になるものがあれば、ぜひためしてみてください。



他の人はどのように対処しているのか観察し、いいところはパクる


また花形課長にご登場願いましょう。
学校や会社で、このような場面に遭遇する人は少なくないと思います。

 

同僚「花形課長ってマジありえなくね?」
あなた「わかる」

 

この会話からわかるのは、同僚もあなたも花形課長はありえないと思っているということです。
このような会話が交わされたなら、同僚がどのように花形課長と接しているのか観察し、参考になるところがあれば積極的にパクるというアイデアです。

 

 

一度閉ざした心のシャッターを開ける方法はあるのか?

 

 

違う人に言われたとしたらどうか?
言い方が変わったとしたらどうか?


言葉は、「何を言われるか?」という内容そのものより、「いつ言われるか?」「どこで言われるか?」「誰に言われるか?」「なぜ言われるか?」「どのように言われるか?」かによって大きく印象が変わることがあります。
※俗に言う5W1Hというやつです。


まず、違う人に言われたらどうか?
つまりWho、「誰に言われるか?」についてです。

たとえば、不快に感じる言葉を、尊敬している上司と、とてもではないけれど尊敬できない上司の二人から言われたとします。
あなたはどちらが受け入れられやすいでしょうか?
とてもでないけれど尊敬できない上司から言われた場合、「テメーが言うな!」と思う一方で、尊敬している上司から言われた場合、「この人が言うのだから少し耳を傾けてみよう」と思えるのではないでしょうか?

また、病気の話をしているときに、一般人と医師がまったく同じことを言ったとします。その場合、一般人の言うことよりも、医師の言うことの方が圧倒的に支持されるのではないでしょうか?

このように、「何を言うか」よりも「誰が言うか」の方が、受け手に大きく影響を与えるケースは多々あります。

そこで出たのが、言われた不快な言葉を、「もし違う人から言われたとしたら、どう感じるだろう?」と捉え直してみてはどうか?というアイデアです。

ここで言う違う人とは、あなたがポジティブなイメージを持っている人の方がいいかもしれません。
リアルの人に限らず、歴史上の偉人でもいいし、漫画やアニメに登場するキャラクターでもいいと思います。


次に、言い方が変わればどうか?
つまりHow、「どのように言われるか?」についてです。

「言うことはわかるけどさ、何もそんな言い方することなくない!」という怒りは誰しも一度は経験したことがあるでしょう。
よく、「物は言いよう」なんて言いますが、まったくもってその通りです。
「何を言うか」よりも、むしろ「どのように言うか」という配慮が欠けていたがために起きるケンカの方が圧倒的に多いのではないでしょうか。

そこで出たのが、言われた不快な言葉を「もっと気の利いた言われ方をされたら、どう感じただろう?」と捉え直してみてはどうか?というアイデアです。


自ら積極的にその情報を取りに行く


不快なことを言われ、「嫌い!」「無理!」となってしまうのは、受け身だからなのでは?という話が出ました。
このような場面は、意図せず不意に来るものであって、あらかじめ構えることはできません。ですので、受け身なのは当たり前と言えば当たり前です。

しかし、受け身か自ら働き掛けるか、その姿勢によっても言葉の捉え方は変わってくるものです。
そこで出たのが、言われた不快な言葉に対して、自ら働き掛けてみてはどうか?というアイデアです。
具体的には、その言葉の意味をググってみる、その言葉を違った側面を探ってみる、その言葉を掘り下げてみるなどが上げられます。
結果、不快に感じた言葉は実は偉人が言っていた言葉だったとわかれば少し感じ方が違うかもしれません(それでも受け入れられないことも多々ありますが…)。

とはいえ、不快な言葉を言われた後、とてもそんな気分にはなれないこともあるでしょうし、そうすることでよけい傷を深めることになるかもしれません。
その点については自己判断でお願いいたします。


第三者の視点・介入


あなたと相手でどうにもならないものは、間に第三者の視点・介入を入れてみてはどうか?というアイデアです。
ここでどのような話が行なわれたか忘れてしまったので詳細は割愛させていただきますが、第三者に相談し意見を聞いてみる、あなたと相手の間に第三者に入ってもらうという趣旨だったと思います。



編集後記


以上、「シャッターの研究」のレポートとまとめになります。

人間、歳を取るにつれて価値観が固まり、柔軟性が失われるといいます。
私はアダルトチルドレンであり、ASD/ADHD傾向もあるので、他の人よりもこのようになってしまいがちな面はあります。
しかし私もおっさんと言われるお年頃。加齢により価値観が固まりつつあり、柔軟性が失われ始めているのかもしれません。
この心のシャッターを閉ざしてしまうという命題は、私に限らず価値観が固まりつつあり、柔軟性が損なわれてきている中高年の普遍的なテーマなのかもしれません。

こうして心のシャッターを閉じないための、また閉じた心のシャッターを再び開けるための対応策を書いてきたものの、つくづく一朝一夕で片づけられる容易い問題ではないなと実感しました。

最後に、私の「シャッターの研究」におつきあいくださった当事者研究会参加者の皆さま、ありがとうございました。


~私が参加している当事者研究会~

東京当事者研究ミーティング Meetup

HP

https://tokyotojisha.jimdo.com/

Twitter

twitter.com

Meet up

www.meetup.com

 

 

病み垢の教科書

はじめに


私、たかむらも病み垢界隈に生息し、早一年半が過ぎようとしています。

このたびは、その一年半の知見をもとに「病み垢の教科書」と題し、「病み垢とは何か?」「病み垢の特徴」「なぜ、病み垢は生まれたのか?」「病み垢をするメリット・デメリット」「病み垢でトラブルに巻き込まれないための留意点」について書きました。

これから病み垢を始めようと思っている人、今、病み垢をしている人、そうでなくても病み垢に興味がある人に読んでいただけたら幸いです。

なお、このたびのエントリはツイッターをしている人でなければわからない専門用語がたくさん出てきます。専門用語にはリンクを貼っております。そちらを参照ください。

 

 

病み垢とは?

 

病み垢の定義


おそらく、病み垢の一般的な定義はありません。
ですので、ここでは病み垢の定義を
生きづらさを抱える人が、ありのままの思いを書くために作られたツイッターアカウント」とします。
正式名称は「病みアカウント」。それを略して「病み垢(アカ)」と呼ばれています。

 

病み垢の特徴


以下、病み垢の特徴です。

・精神障害者・発達障害者の割合が高い。
・精神障害・発達障害でなくても、生きづらさを抱えている人が多い。
・ネガティブなツイートが多い。
・ほとんどが匿名。
・中・高校生~五十代と年齢層が幅広い。
・男女比率は女性が多い印象。
・病み垢同士でつながることが多い。
・同じ障害や生きづらさを抱える者同士でつながることがが多い。
・リアルの友人・知人へ病み垢の存在を教える人は少ない。

 

なぜ、病み垢は生まれたのか?


あくまで私の仮説です。

社会には、生きづらさを抱えた人がたくさんいます。ひとえに生きづらさと言っても、その要因は様々です。一つだけ言えることは、各々がオンリーワンの生きづらさを抱えているということです。

生きづらさを抱えた人の代表格とも言えるのが障害者です。その中でも精神障害・発達障害は、目に見えない障害であることから、社会で十分な認知や理解を得られていないのが現状です。

また、「ネガティブはできるだけ排除し、ポジティブでいることが望ましい」、そのような同調圧力が少なからず社会にあり、それが生きづらさをありのまま話すことの阻害要因になっているようにも思えます。

このような社会で、生きづらさが理解されることは少なく、また生きづらさを抱える人がありのままを話す「人」も「場」も限られています。

そのような背景から、生きづらさを抱える人たちの間に二つのニーズが生まれました。
一つは、生きづらさをありのまま話す「人」と「場」を求めるニーズ。もう一つは、自分の抱える生きづらさをわかってもらいたいというニーズです。

そのような最中、インターネットの発展に伴いツイッターという日本人に親和性の高いSNSツールが登場しました。

ツイッターの登場は、生きづらさを抱える人たちのニーズを満たしました。
まず、ありのまま話す「場」を求めるニーズを満たしました。それにより登場したのが病み垢です。
次に、病み垢同士がつながることで、ありのまま話す「人」を求めるニーズを満たし、互いに理解・共感し合うことで、自分の生きづらさをわかってもらいたいというニーズをも満たしました。

二つのニーズが生まれ、そのニーズを一つのツールが満たした。
その結果生まれたのが病み垢であり、病み垢同士のつながりなのだと私は思っています。

 

病み垢をするメリット・デメリット

 

病み垢をするメリット


病み垢をするメリットは三つあります。

1、ありのままの思いを書くことができる

(匿名にする、鍵垢にする、リアルの友人・知人に病み垢の存在を教えないなど対策を取れば)リアルでつながりのある誰に知られることなく、ありのままの思いを書くことができます。
また病み垢は同じ障害や生きづらさを抱える者同士が集う場であることから、ネガティブなことであっても、それを受け入れる懐の深さがあります。


2、同じ障害や生きづらさを抱えた人たちと知り合える

リアルで同じ障害や生きづらさを抱えた人とつながる機会はなかなかありません。
また、リアルではちょっと…という人も少なくないでしょう。
ツイッターならば検索機能、おすすめユーザー機能を使い、匿名、かつ非リアルで同じ障害や生きづらさを抱えた人たちと知り合うことができます。


3、同じ障害や生きづらさを抱えた人たちとつながれる

同じ障害や生きづらさを抱えた人たちとつながり、コミュニケーションを図ることで「孤独から解放される」「互いに理解し、共感することができる」「共に励まし合うことができる」「情報交換・情報共有ができる」などのメリットがあります。

 

病み垢をするデメリット


病み垢をするデメリットは、三つあります。


1、依存の恐れ

ツイッターに過度に依存してしまうことです。
1日中ツイッターばかりしている人のことをツイッター界隈ではツイ廃と呼びます。

病み垢では、リアルで吐けないようなネガティブなことを吐き出すことができますし、先ほど書いたようにそのようなものを受け入れる懐の深さもあります。このような環境は居心地が良い反面、依存してしまう危険性もはらんでいます


2、トラブルに巻き込まれる恐れ

病み垢は、ツイッターというツールを介して行なわれるバーチャルなコミュニケーションとはいえ、あなたが見つめる画面の向こうにいるのは、あなたと同じ人間です。
つまりバーチャルといえど人と人との関わり合いであり、その点においてリアルの人間社会と何だ変わりはありません。
ですので、当然人間関係のトラブルも生じます。

トラブルではありませんが、トラブルに発展しやすいものとしてクソリプが送られてくる、エアリプが流れてくる、マウンティングされる、巻き込みリプをくらうなどがあります。
また、ケンカ誹謗中傷を受ける、ネットスト―キング出会い厨個人情報をネットに晒されるなどのトラブルもあります。

出会い厨についてだけ少し書きます。
出会い厨の被害が多いのは圧倒的に女性です。中には福祉の名を語り近づいてくる者、お金や物を無心する者もいると聞きます。心が弱っている女性はとくにターゲットにされやすいようです。女性は気をつけてください。


日本のツイッターユーザー数は4,000万人(2016年9月30日現在)を数えます。
東京都の人口が1,363万人(2016年10月1日現在)ですから、その数は東京の人口の三倍にあたります。
これだけ多くの人がツイッターを使っているということは、当然そこは様々な価値観を持つ人で溢れています。

精神障害や発達障害へ理解がある人もいれば、まったく理解がない人もいます。中には精神障害者・発達障害者へ暴力ともいえる物言いをする人もいることでしょう。

同じ障害を持つ人同士であっても、仕事をせず療養している人、障害者年金・生活保護を受けている人を好ましく思わない人もいます。精神障害者・発達障害者はこうあるべきと個人の理想を押しつけ、その基準にそぐわない人を誹謗中傷する人も見受けられます。また、その人のすべてを知っているわけでもないのに、断片的な情報で否定してくる人もいます。

何が言いたいのかと言うと、ツイッターには様々な価値観を持つ人がいるため、自分に否がなくてもトラブルに巻き込まれることもあるということです。


3、イネイブリング

イネイブリングとは、依存している人を手助けすることで、かえってその克服を妨げてしまう行為を言います。そのような行為をする人のことをイネイブラーと言います。

具体的には、ギャンブル依存症者へギャンブルするためのお金を渡してしまう行為をイネイブリングと言い、イネイブリングをする人をイネイブラーと言います。

何が言いたいのかと言うと、あなたがかけるその優しい一言が、イネイブリングになっている可能性もありうるということです。

matome.naver.jp

 

とある国に「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」ということわざがあります。「人に魚を与えると一日で食べてしまう。しかし、人に魚の釣り方を教えれば一生食べて行くことができる。」という意味の言葉です。

優しい言葉をかけること、すなわち魚を与えることがダメだと言っているのではありません。魚を与えることが良いか、それとも魚の釣り方を教えることが良いか、それはケースバイケースです。

しかし、あなたのその優しさが「その人の依存を助長していないか?」「本当にその人のためになっているのか?」、ときおり考えてみる必要があるのではないでしょうか?

 

 

病み垢でトラブルに巻き込まれないための留意点

 

病み垢でトラブルに巻き込まれないための留意点は、以下の六つです。
(あくまでトラブルに巻き込まれないことに重きをおいた内容になっています)


1、個人情報を晒さない


氏名・住所・電話番号・メールアドレス・勤務先は決して晒してはいけません。
また画像や動画をアップする際、個人情報を知られてしまう可能性のあるのもが写っていないか最大限注意を払いましょう。
もし個人情報を知られた場合、トラブルになった際にネットに晒されてしまう危険性があります。


2、アカウントに鍵をかける

鍵がかけられたアカウントのことを、鍵垢といいます。鍵アカウントの略です。

アカウントに鍵をかけていない場合、誰でも自由にあなたをフォローすることができますし、あなたのツイートを見ることもできます。
しかしアカウントに鍵をかけておくと、あなたの許可がないかぎり勝手にフォローすることができません。また、あなたのフォロワー以外ツイートを見ることもできません。


アカウントに鍵をかけることによって、あなたにとって好ましくない相手とつながる可能性を抑えることができます。


3、フォロワー数を増やしすぎない

フォロワー数が多いほど、トラブルに巻き込まれる可能性は高くなります。これは病み垢というよりも、ツイッターの鉄則です。

フォロワーとはあなたをフォローしている人のことで、あなたのツイートを見ることができます。フォロワー数が多いということは、様々な価値観を持つ多くの人が、あなたのツイートを見ていることになります。

あなたのツイートを見ている人の数が多ければ多いほど、リプライRTいいねなどの反響が、良くも悪くも増えます。あなたに肯定的な反応を示してくれる人が増える一方で、あなたに否定的な反応を示す人も増えるでしょう。

フォロワー数が多すぎた結果、トラブルに巻き込まれた人を私も見たことがあります。
その人は、フォロワー数が多くなり一人一人への対応がおざなりになった結果、その人に肯定的な態度を示していた人が次第にアンチと化し、トラブルに発展しました。そして、その人は病み垢を止めざる得なくなってしまいました。

一人で対応できるフォロワーの数には限りがあります。もらったらリプライへの返信が億劫に感じるようになったら、フォロワー数が多い目安かもしれません。

各々ツイッターをする目的は違います。ですので、フォロワー数を増やすこと自体否定はしません。しかし、フォロワー数が増えることのリスクは理解しておくべきです。そのリスクを考慮せず安易にフォロワー数を増やすのはトラブルの元となります。
「病み垢をする目的は何か?」「病み垢に何を求めているのか?」を今一度問い、「それを達成するにあたりフォロワー数は果たして必要なのか?」あらためて考えてみる必要があるのではないでしょうか?


4、ミュート、リムーブ、ブロックを活用する

ツイッターをしていると、あなたが不快に感じるツイートがタイムラインに流れてくることがあります。また、先ほど書いたようにトラブルに巻き込まれることもあります。
このような場合、ミュートリムーブブロックを活用し、相手とほどよい距離を取りましょう。


5、他人から自分がどう見えるかを意識する

憲法で言論の自由、表現の自由が認められています。それにあなたのアカウントは、あなたのメディアです。ですので、あなたが何を書こうが、それはあなたの自由です。
しかし一方で、叩かれやすい発言とそうでない発言があることも事実です。
トラブルに巻き込まれないためには、あなたのツイートが他人の目にどう映るか?叩かれやすいツイートか、そうでないか?という視点もある程度は必要だと私は思います。


6、ツイキャスをやりすぎない


ツイキャス
とは、個人でライブ映像配信・音声配信ができるサービスをいいます。
わかりやす言うと、個人配信TV・ラジオです。コラボすることで複数人同時配信することもできます。

あくまで私の主観ですが、ツイキャスの配信頻度が高い人ほどトラブルに巻き込まれる可能性が高いように感じています。

 

最後に


以前、主治医に「病み垢をすることは望ましいか?望ましくないか?」聞いてみたことがあります。主治医がどれくらい病み垢のことを知っているかわかりませんが、主治医の答えは「あまりオススメはしない」でした。おそらく、他の精神科医も同じことを言うでしょう。

私は闘病中、SNSをしていませんでした。私が病み垢始めたのは、ほとんどの障害が寛解・回復した後、内省をする目的で始めました。
私は、闘病中にSNSをしていなくて良かったと思っています。それは私に依存症歴があることから、SNS依存に陥り、障害の克服の妨げになっていた可能性があったためです。

しかし、病み垢同士のつながりはとても温かいものです。バーチャルな自助グループとでも言えばいいのでしょうか。私自身これまで心温まる光景を幾度も見てきましたし、このコミュニティのおかげで今の自分があると言っている人も数多く見ています。

ですので私は「SNSとの距離」「フォロー・フォロワーとの距離」、そして「使い方」、この三つを誤らなければ、病み垢をすることがプラスに働くこともあると、いち当事者として思います。

病み垢をしていらっしゃる人たちが、少しでも生きづらさを解消できることを願いつつ、筆を置かせていただきます。

精神障害者雇用の現状 (ハローワーク「平成27年度・障害者の職業紹介状況等」より)

はじめに


平成30年4月1日、「障害者の雇用の促進等に関する法律」(以下 障害者雇用促進法)が改正され、精神障害者も法定雇用率の算定基礎対象へ加わることとなる。
それを踏まえて「精神障害者の雇用・就労」をテーマに、いくつかに分けてエントリーを書こうと思う。
このたびは、第二段として『精神障害者雇用の現状 (ハローワーク「平成27年度・障害者の職業紹介状況等」より)』と題して、ハローワーク「平成27年度・障害者の職業紹介状況等」を基に、精神障害者雇用の現状をわかりやすく伝えたい。
詳細なデータものせているが、「結論から述べれば」もしくは太線とまとめだけ読めばおおむねわかるように書いたつもりだ。
ちなみに第三段は平成28年4月1日および平成30年4月1日の障害者雇用促進法の改正点についてお伝えするつもりだ。

 

結論から述べれば


<障害者雇用全体>

障害者雇用全体では、新規求職申込件数は9年連続の増加、有効求職者数・就職件数・就職率は6~8年連続増加。障害者雇用の伸びは堅調。

障害者雇用は有効求人倍率の影響を受けている可能性がある。

<精神障害者雇用>

新規求職申込件数・有効求職者数・就職件数の伸び率が対前年比約10%増と、精神障害者は大きな伸びを示している。

障害者全体の対前年比増加件数に占める精神障害者の対前年比増加件数の割合は、新規求職申込件数で89%、有効求職者数で75%、就職件数で69%と、障害者全体の伸びに精神障害者は大きく貢献している。

障害者全体に占める精神障害者の割合は、、新規求職申込件数で43%、有効求職者数で38.5%、就職件数で42.6%と、精神障害者は障害者全体の中で存在感を増している。


ハローワーク「平成27年度・障害者の職業紹介状況等」からみる精神障害者雇用の現状

 

ハローワークにおける障害者の職業紹介状況

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まず、障害者全体について見て行く。
ここでいう障害者とは「身体障害者」「知的障害者」「精神障害者」「その他の障害者」を指す。
ちなみに「その他の障害者」とは、「発達障害者」「高次脳機能障害者」「難治性疾患患者」等である。


■新規求職申込件数

新規求職申込件数とは、期間中に新たに受け付けた求職申込みの件数である。

全体
平成27年の新規求職申込件数は187,198件。前年と比べて7,976件、4.5%増加している。平成18年~27年まで9年間一貫して増加し、1.81倍の伸びを示している。

身体障害者
63,403件。前年と比べて△1,862件、△2.9%減少している。
3年連続の減少。


知的障害者
33,410件。前年と比べて1,097件、3.4%増加している。
9年間連続の増加。

精神障害者
80,579件。前年と比べて7,097件、9.7%増加している。
9年間連続の増加。

その他の障害者
9,806件。前年と比べて1,644件、20.1%増加している。
9年間連続の増加。


■有効求職者数
有効求職者数とは、前年から繰り越された求職者数とその年の新規求職者数の合計ハローワークに登録されている求職者数

全体
平成27年の有効求職者数は231,066人。前年と比べて12,153人、5.6%増加している。8年連続の増加。平成18年~27年の9年間で1.52倍の伸びを示している。

身体障害者
91,939人。前年と比べて402人、0.4%増加している。

知的障害者
41,803人。前年と比べて1,259人、3.1%増加している。
7年連続の増加

精神障害者
88,857人。前年と比べて9,061人、11.4%増加している。
9年連続の増加。

その他の障害者
8,467人。前年と比べて1,431人、20.3%増加している。
9年連続の増加。


■就職件数

就職件数とは、有効求職者がハローワークの紹介により就職したことを確認した件数である。

全体
平成27年の就職件数は90,191件。前年と比べて5,589件、6.6%増加している。7年連続の増加。平成18年~27年の9年間で約2.05倍の伸びを示している。

身体障害者
28,003件。前年と比べて△172件、△0.6%減少している。
2年連続の減少。

知的障害者
19,958件。前年と比べて1,235件、6.6%増加している。
6年連続の増加。

精神障害者
38,396件。前年と比べて3,858件、11.2%増加している。
9年連続の増加。

その他の障害者
3,834件。前年と比べて668件、21.1%増加している。
9年連続の増加。


■就職率

就職件数を新規求職申込件数で除した割合である。

全体
平成27年の就職率は48.2%。前年と比べて1.0%増加している。6年連続の増加。
平成18年~27年の9年間で約1.13倍の伸びを示している。

身体障害者
44.2%。前年と比べて1.0%増加している。
4年連続の増加。

知的障害者
59.7%。前年と比べて1.8%増加している。
6年連続の増加。

精神障害者
47.7%。前年と比べて0.7%増加している。
6年連続の増加。

その他の障害者
39.1%。前年と比べて0.3%増加している。
4年連続の増加。

 

<障害者雇用全体のまとめ>

障害者雇用全体
新規求職申込件数は9年連続の増加有効求職者数・就職件数・就職率は6~8年連続増加

身体障害者
新規求職申込件数・就職件数は2~3連続の減少。有効求職者数は増減なし、就職率は4年連続の増加。

知的障害者
新規求職申込件数9年連続の増加。有効求職者数・就職件数・就職率は6~7年連続増加。

精神障害者
新規求職申込件数・有効求職者数・就職件数は9年連続の増加就職率は6年連続増加

その他の障害者
新規求職申込件数・有効求職者数・就職件数は9年連続の増加。就職率は4年連続増加。
※その他の障害者の著しい増加は、昨今「発達障害」の認知が高まったためと筆者は認識している。

 

 

有効求人倍率と障害者雇用


ここで有効求人倍率は障害者雇用に影響を及ぼすかについて見て行きたい。

有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合で、雇用動向を示す重要指標のひとつ。景気とほぼ一致して動くので、景気動向指数の一致指数となっている。厚生労働省が全国のハローワークの求職者数、求人数をもとに算出し、「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」で毎月発表している。有効求人数を有効求職者数で割って算出し、倍率が1を上回れば人を探している企業が多く、下回れば仕事を探している人が多いことを示す。(初めてでもわかりやすい用語集|SMBC日興証券

より)

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一般職業紹介状況(職業安定業務統計)より

shikiho.jp


厚生労働省の調査によると、有効求人倍率は2009年から増加の一途をたどり、2017年3月時点1.45倍とバブル期のピークに迫る高水準で推移している。
有効求人倍率が上昇する前と上昇を始めたときで、障害者雇用の新規求職申込件数と就職件数の伸び率を比較してみる。

有効求人倍率が上昇する前、H18(2006年)~H21(2009年)までの新規求職申込件数の伸び率は121%就職件数の伸び率は103%

一方、有効求人倍率が上昇を始めたH21(2009年)~H27(2015年)の新規求職申込件数の伸び率は149%就職件数の伸び率は199%である。

有効給仕倍率の上昇に比例して障害者雇用の新規求職申込件数および就職件数も伸びていることから障害者雇用は有効求人倍率の影響を受けている可能性が高いといって良いだろう。
今後さらに有効求人倍率が上昇する可能性もあるが、障害者雇用を望む者にとって今がチャンスといえるのではないだろうか。

 

精神障害者の職業紹介情報

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次は、精神障害者のみをピックアップして見て行く。


■新規求職申込件数

全体
187,198件。前年と比べて7,976件、4.5%増加している。

精神障害者
80,579件。前年と比べて7,097件、9.7%増加している。

障害者全体の新規求職申込件数に占める精神障害者の新規求職申込件数の割合は43%
障害者全体の対前年比増加件数に占める精神障害者の対前年比増加件数の割合は89%
精神障害者の新規求職申込件数の増加が、障害者全体の新規求職申込件数増加をけん引している。


■有効求職者数

全体
231,066人。前年と比べて12,153人、5.6%増加している。

精神障害者
88,857人。前年と比べて9,061人、11.4%増加している。

障害者全体の有効求職者数に占める精神障害者の有効求職者数の割合は38%
障害者全体の対前年比増加件数に占める精神障害者の対前年比増加件数の割合は75%
精神障害者の有効求職者数の増加が、障害者全体の有効求職者数増加をけん引している。


■就職件数

全体
90,191件。前年と比べて5,589件、6.6%増加している。

精神障害
38,396件。前年と比べて3,858件、11.2%増加している。

障害者全体の就職件数に占める精神障害者の就職件数の割合は43%
障害者全体の対前年比増加件数に占める精神障害者の対前年比増加件数の割合は69%
精神障害者の就職件数の増加が、障害者全体の就職件数増加をけん引している。


■就職率

全体
平成27年の就職率は48.2%。前年と比べて1.0%増加している。

精神障害
平成27年の就職率は47.7%前年と比べて0.7%増加している。

精神障害者の就職率は、障害者全体とおおむね同水準である。


■伸び率

新規求職申込件数
 全体:4.5%
 身体障害者:△2.9%
 知的障害者:3.4%
 精神障害者:9.7%
 その他の障害者:20.1%

有効求職者数
 全体:5.6%
 身体障害者:0.4%
 知的障害者:3.1%
 精神障害者:11.4%
 その他の障害者:20.3%

就職件数
 全体:6.6%
 身体障害者:0.6%
 知的障害者:6.6%
 精神障害者:11.2%
 その他の障害者:21.1%

就職率
 全体:1.0%
 身体障害者:1.0%
 知的障害者:1.8%
 精神障害者:0.7%
 その他の障害者:0.3%


■障害者全体に占める精神障害者の構成比

障害者全体の新規求職申込件数に占める各障害者の新規求職申込件数の割合
精神障害者43%、身体障害者は33.9%、知的障害者は17.8%、その他の障害者は5.2%の順に高く、精神障害者の割合が最も高い。

障害者全体の有効求職者数に占める精神障害者の有効求職者数の割合
身体障害者39.8%、精神障害者38.5%、知的障害者18.1%、その他の障害者3.7%の順に高く、精神障害者の割合は身体障害者に次いで2番目に高い。

障害者全体の就職件数に占める精神障害者の就職件数の割合
精神障害者42.6%、身体障害者31%、知的障害者22.1%、その他の障害者4.3%の順に高く、精神障害者の割合が最も高い。

 

<精神障害者雇用のまとめ>

 
新規求職申込件数・有効求職者数・就職件数の伸び率が対前年比約10%増と、精神障害者は大きな伸びを示している

障害者全体の対前年比増加件数に占める精神障害者の対前年比増加件数の割合は、新規求職申込件数で89%有効求職者数で75%就職件数で69%と、障害者全体の伸びに精神障害者は大きく貢献している。

障害者全体に占める精神障害者の割合は、、新規求職申込件数で43%有効求職者数で38.5%就職件数で42.6%と、精神障害者は障害者全体の中で存在感を増している

 

 

 

産業別就職状況(平成27年度)

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以下、5%以上の産業のみ記載


■ハローワーク全体における産業別就職状況(障害者を含む)

「医療・福祉(22.2%)」 → 「製造業(16.6%)」 → 「卸、小売業(13.6%)」 → 「サービス業(11.6%)」 → 「運輸、郵便業(5.9%)」 → 「公務・その他(5.8%)」 → 「建設業(5.8%)」 


■障害者全体における産業別就職状況

「医療・福祉(37.5%)」 → 「製造業(13.2%)」 → 「卸、小売業(12.8%)」 → 「サービス業(10.1%)」 


■精神障害者における産業別就職状況

「医療・福祉(42.6%)」 → 「卸、小売業(12.7%)」 → 「製造業(11.1%)」 → 「サービス業(9.6%)」

 

 

職業別の就職状況(平成27年度)

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以下、5%以上の職業のみ記載


■ハローワーク全体における職業別就職状況(障害者を含む)

「事務的職業(21%)」 → 「サービスの職業(18.2%)」 → 「生産工程の職業(14%)」 → 「運搬・清掃・包装等の職業(13.8%)」 → 「専門的・技術的職業(13.4%)」 → 「販売の職業(7.3%)」 → 「輸送・機械運転の職業(6%)」 


■障害者全体における職業別就職状況

「運搬・清掃・包装等の職業(34.8%)」 → 「事務的職業(20.5%)」 → 「生産工程の職業(12.9%)」 → 「サービスの職業(12%)」  → 「専門的・技術的職業(6.5%)」 → 「販売の職業(5.2%)」 


■精神障害者における職業別就職状況

「運搬・清掃・包装等の職業(35.8%)」 → 「事務的職業(21.7%)」 → 「生産工程の職業(12.2%)」 → 「サービスの職業(11.5%)」 → 「専門的・技術的職業(6.2%)」 → 「販売の職業(5.3%)」 

 

 

都道府県別の就職状況(平成27年度)

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■都道府県別の就職件数

就職件数で見ると、多いのはやはり大都市圏である。


■都道府県別の就職率

就職率が60%越え高い都道府県「岩手(61.6%)」「冨山(69.6%)」「石川(64.6%)」「福井(67.5%)」「島根(62.8%)」「岡山(62%)」「徳島(62.9%)」「沖縄(62.8%)」の8つ。

平成27年の就職率48.2%を上回った都道府県の数は、48都道府県中43都道府県

平成27年の就職率48.2%を下回った都道府県は、「埼玉(39.6%)」「千葉(40.7%)」「東京(32%)」「神奈川(34.5%)」「大阪(43.3%)」と大都市圏に目立った。

 

精神障害者枠で働く―雇用のカギ・就労のコツ・支援のツボ

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ソーシャルワークによる精神障害者の就労支援―参加と協働の地域生活支援―

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本書を読まずに障害者を雇用してはいけません!

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精神障害者雇用の現状(厚生労働省「平成28年障害者雇用状況の集計結果」より)

はじめに


平成30年4月1日、「障害者の雇用の促進等に関する法律」(以下 障害者雇用促進法)が改正され、精神障害者も法定雇用率の算定基礎対象へ加わることとなる。
それを踏まえて『精神障害者の雇用・就労』をテーマに、いくつかに分けてエントリーを書こうと思う。
このたびは、第一段として『精神障害者雇用の現状(厚生労働省「平成28年障害者雇用状況の集計結果」より)』と題し、厚生労働省「平成28年障害者雇用状況の集計結果」を基に、精神障害者雇用の現状をわかりやすく伝えたい。
詳細なデータものせているが、「結論から述べれば」もしくは太線とまとめだけ読めばおおむねわかるように書いたつもりだ
ちなみに第二段は『精神障害者雇用の現状 (ハローワーク「平成27年度・障害者の職業紹介状況等」より)』と題し、ハローワーク「平成27年度・障害者の職業紹介状況等」を基に、精神障害者雇用の現状をお伝えするつもりだ。

 

 

結論から述べれば


障害者雇用全体・精神障害者雇用共に増加傾向で順調に推移している。

まず、障害者雇用全体。
民間企業・公的機関共に雇用障害者数は前年より増加し、13年連続の過去最高を記録、実雇用率も前年より増加し、5年連続の過去最高を記録している。また、法定雇用率達成企業の割合も前年より増加している。
企業規模別の雇用障害者数、実雇用率、法定雇用率達成企業の割合、いずれも前年より増加している。また、産業別のそれもおおむね増加傾向である。

次に、精神障害者雇用。
精神障害者雇用者数は、平成18年から平成28年まで一貫して増加しており、伸び率は21倍を示している。その伸び率は身体障害者の1.38倍、知的障害者の2.39倍を大きく上回る顕著なものである。
また、平成30年4月1日から精神障害者も法定雇用率の算定基礎対象へ加わることから、今後、民間企業における精神障害者の雇用は増加が見込まれる。

厚生労働省「平成28年障害者雇用状況の集計結果」からみる精神障害者雇用の現状

 

民間企業における障害者の雇用状況

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■民間企業
民間企業とは、50人以上規模の企業を指す。

■雇用障害者数
雇用障害者数とは、その年に雇用された障害者の人数
平成28年の雇用障害者数は474,374人。前年より4.7%(21,240人)増加し、13年連続で過去最高を記録した。

雇用障害者の内訳は身体障害者327,600人(前年より2.1%増)、知的障害者104,746人(前年より7.2%増)、精神障害者42,028人(前年より21.3%増)と、いずれも前年より増加した。特に精神障害者の伸び率の大きさが目立った。

■実雇用率
実雇用率とは、企業の従業員数に占める雇用障害者数の割合
ちなみに法定雇用率とは、障害者雇用促進法で定められた民間企業および公的機関が雇用しなければならない障害者の割合。民間企業の法定雇用率は2.0%
平成28年の実雇用率は1.92%。前年1.88%より増加し、5年連続で過去最高を記録した。

 

<民間企業における障害者雇用全体のまとめ>
平成28年の雇用障害者数は前年より増加し、13年連続の過去最高を記録した。その中でも精神障害者の伸び率の大きさが目立った
平成28年の実雇用率は前年より増加し、5年連続の過去最高を記録した。

<民間企業における精神障害者雇用のまとめ>

雇用障害者全体数に占める精神障害者の割合は9%である。身体障害者は69%、知的障害者は22%と比べるとかなり少ない。
しかし、精神障害者雇用者数は平成18年から平成28年まで一貫して増加しており、その伸び率は21倍を示している。その伸び率は身体障害者の1.38倍、知的障害者の2.39倍を大きく上回る顕著なものである。
また、平成30年4月1日から精神障害者も法定雇用率の算定基礎対象へ加わることとなる。
以上2点から、今後、民間企業における精神障害者の雇用は増加が見込まれる


ちなみに平成28年度公的機関(法定雇用率2.3%、都道府県などの教育委員会は2.2%)における障害者雇用の状況は、

・国
雇用障害者数7,436人(前年は7,371人) / 実雇用率2.45%(前年も2.45%)

・都道府県
雇用障害者数8,474人(前年は8,344人) / 実雇用率2.61%(前年は2.58%)

・市町村
雇用障害者数26,139人(前年は25,913人) / 実雇用率2.43%(前年は2.41%)

・教育委員会
雇用障害者数14,448人(前年は14,216人) / 実雇用率2.18%(前年は2.15%)

・独立行政法人
雇用障害者数9,927人(前年は9,527人) / 実雇用率2.36%(前年は2.32%)

となっており、公的機関も民間企業同様、雇用障害者数・実雇用率共にほぼ前年を上回っている

企業規模別実雇用率

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・1,000人以上の企業
前年:2.09% → 今年:2.12%

・500~1,000人未満の企業
前年:1.89% → 今年:1.93%

・300~500人未満の企業
前年:1.79% → 今年:1.82%

・100~300人未満の企業
前年:1.68% → 今年:1.74%

・50~100人未満の企業
前年:1.49% → 今年:1.55%

 

<企業規模別実雇用率のまとめ>
企業規模別の実雇用率は、すべての企業規模において前年より増加している。
企業規模別の実雇用率の高さは企業規模に比例している。
1,000人以上の企業を除いては、実雇用率が法定雇用率2%を上回っていない


ちなみに企業規模別雇用障害者数は、

・1,000人以上の企業
前年:227,147人 → 今年:236,943人(構成比50%)

・500~1,000人未満の企業
前年:54,780人 → 今年:57,069人(構成比12%)

・300~500人未満の企業
前年:41,550人 → 今年:43,378人(構成比9%)

・100~300人未満の企業
前年:88,406人 → 今年:93,480人(構成比20%)

・50~100人未満の企業
前年:41,249人 → 今年:43,503人(構成比9%)

 

<企業規模別雇用障害者数のまとめ>
すべての企業規模において雇用障害者数は前年と比べ増加している。
雇用障害者数の50%を1,000人以上の企業が占めている。次いで100~300人未満の企業が20%。500~1,000人未満の企業の12%、300~500人未満の企業・50~100人未満の企業の9%と続く。

 

 

企業規模別達成企業割合

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全体では法定雇用率達成企業の割合は48.8%と前年47.2%より増加している。
企業規模別の法定雇用率達成の割合は、

・1,000人以上の企業
前年:55.0% → 今年:58.9%

・500~1,000人未満の企業
前年:44.6% → 今年:48.1%

・300~500人未満の企業
前年:44.0% → 今年:44.8%

・100~300人未満の企業
前年:50.2% → 今年:52.2%

・50~100人未満の企業
前年:44.7% → 今年:45.7%

 

<企業規模別達成企業の割合のまとめ>
全体の法定雇用率達成企業の割合は48.8%前年より増加している。
法定雇用率達成企業の割合は、すべての企業規模において前年より増加している。

 

産業別実雇用率

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■実雇用率が法定雇用率2%を上回っている産業

「医療・福祉(2.43%)」 → 「農、林、漁業(2.14%)」 → 「生活関連サービス業、娯楽業(2.11%)」 → 「電気・ガス・熱供給・水道業(2.05%)」 → 「運輸業、郵便業(2.00%)」 → 「法定雇用率(2.00%)」

■実雇用率が法定雇用率2%を下回っている産業
「製造業(1.98%)」 → 「金融業、保険業(1.94%)」 → 「全体(1.92%)」 → 「サービス業(1.91%)」 → 「宿泊業、飲食サービス業(1.83%)」 → 「複合サービス事業(1.82%)」 → 「卸売業、小売業(1.74%)」 → 「建設業(1.72%)」 → 「学術研究、専門・技術サービス業(1.70%)」 → 「情報通信業(1.63%)」 → 「不動産業、物品賃貸業(1.61%)」 → 「教育・学習支援業(1.56%)」

 

<産業別実雇用率・雇用障害者数のまとめ>
産業別の実雇用率は「学術研究、専門・技術サービス業」以外、すべての産業で前年よりも増加している。
産業別の雇用障害者数は「鉱業、採石業、砂利採取業」「学術研究、専門・技術サービス業」以外、すべての産業で前年よりも増加している。

 

産業別達成企業割合

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「医療・福祉(61.8%)」 → 「製造業(56.6%)」 → 「運輸業、郵便業(54.4%)」 → 「全体(48.8%)」 → 「建設業(48.1%)」 → 「サービス業(45.7%)」 → 「複合サービス事業(45.2%)」 → 「電気・ガス・熱供給・水道業(44.8%)」 → 「宿泊業、飲食サービス業(43.8%)」 → 「生活関連サービス業、娯楽業(42.5%)」 → 「金融業、保険業(41.1%)」 → 「教育・学習支援業(38.7%)」 → 「卸売業、小売業(37.7%)」 → 「学術研究、専門・技術サービス業(34.8%)」 → 「不動産業、物品賃貸業(34.7%)」 → 「情報通信業(26.8%)」

 

<産業別達成企業割合のまとめ>
産業別達成企業割合は、「複合サービス事業」「電気・ガス・熱供給・水道業」以外、すべての産業で前年よりも増加している。
法定雇用率未達成企業の状況は、①平成28年の法定雇用率未達成企業は45,790社。そのうち、1人不足企業(不足人数が0.5人~1人である企業)が66.4%と過半数を占める。②0人雇用企業(障害者を1人も雇用していない企業)が、未達成企業に占める割合は58.9%となっている。

 

精神障害者枠で働く―雇用のカギ・就労のコツ・支援のツボ

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ソーシャルワークによる精神障害者の就労支援―参加と協働の地域生活支援―

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本書を読まずに障害者を雇用してはいけません!

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うつ病闘病記まとめ(うつ病闘病記 第5回)

はじめに


うつ病闘病記第5回。
このたびは「うつ病闘病記まとめ」と題して、まず、これまで計4回わたり書いてきた私のうつ病闘病記を1つのエントリーにまとめた、次に、
私の闘病の良かった点・悪かった点を振り返りをしている。最後に編集後記を。

第1回:なぜ、私がうつ病になったのか?
第2回:うつ病になって私がまずしたこと、その効果は?
第3回:うつ病との闘い
第4回:うつ病から社会復帰へ向けて
第5回:うつ病闘病記まとめ←今、ココ

 

うつ病闘病記まとめ

 

第一回 なぜ、私がうつ病になったか?


うつ病になる前~うつ病を発病するまで
を書いている。

私がうつ病になった経緯を「生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)」というフレームワークを用いて説明している。

nikochin.hatenablog.com

 

第二回 うつ病になってまず私がしたこと、その効果は?


うつ病になって間もないとき
のことを書いている。

「生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)」に基づき、生物学的アプローチ(薬物療法)・心理学的アプローチ(心理療法)・社会学的アプローチ(環境調整)ごとに、「うつ病になって、私がまず何をしたか?」「その効果はどうだったか?」について書いている。

 

nikochin.hatenablog.com

 

第三回 うつ病との闘い


闘病中のことを書いた最も闘病記らしい回

うつ病により働くことができなくなり、二年間の療養生活を余儀なくされた経験を元に、「うつ病と闘うとは?」「どんな気持ちで闘病中すごしていたか?」「働かず療養に専念するとは?」について書いている。

nikochin.hatenablog.com

 

第四回 うつ病から社会復帰へ向けて

「もしかして治ったかも!?」から社会復帰を果たすまで、私がどのような取組みをしたかを書いている。

nikochin.hatenablog.com

 

私の闘病のどこが良くて、どこが悪かったか?

 

悪かった点

悪かった点は、お金の面
具体的には、休職し傷病手当を貰うという選択肢があったにも関わらず、退職してしまったことである。

傷病手当とは、病気休業中に本人や家族の生活を保障するもの。申請先は健康保険組合。業務外のケガや病気にも対応。給与日額平均の2/3が1年6ヵ月にわたり支給される。ちなみに業務上のケガや病気に関しては、労災保険の「休業補償」が適用される。

そうしてしまった理由は2つ。
1つは、いつも通り力を発揮できないなら去るべしというポリシーが私にはあり、それを損得よりも優先させてしまったため。
2つ目は、一刻も早く会社との関係を断ちたいと思うギリギリのところまで我慢を重ねてしまったためである。

1つ目に関しては、ポリシーを貫くことは本人の自由であるものの、自分の財布や家族・パートナーと相談してから決めるべきだった
2つ目に関しては、おかしいと思った時点で1週間程度有給休暇を取り、専門家に相談すべきだった
専門家としては医師・臨床心理士が考えられるが、この分野においては社会保険労務士・精神保健福祉士の方がくわしいだろう。
精神保健福祉士に関しては、自治体で無料で相談できるところもあるようだ。


また最近では、就労不能保険を販売している保険会社も増えてきている。うつ病は今や10人に1人、15人に1人かかる病気と言われ他人事では済まされない身近な病である。また私同様、治療に年単位要することもめずらしくない。このようなリスクに備え保険に加入することも検討してみてはいかがだろうか?

style.nikkei.com

 

良かった点

良かった点はいくつかあるが、一つだけ上げろと言われたら家族・パートナーの理解を得られたことを選ぶ。

 

おそらくこれは、女性に限った話ではないだろう。
うつ病をはじめとした精神障害の治療において、それだけ身近な人の理解というのは大切なのだ。

発病から社会復帰を果たすまでの3年半、生活を共にする彼女、そして母、この二人の理解という土壌あったからこそ、私は余計なストレスを抱えることなく治療に励むことができた。

Twitterの病みアカ界隈では、身近な人の理解を得られず、苦悩している人を多く見かける。
どうしても身近な人に理解を得られない場合、私がやったように簡単な本を一冊手渡し読んでもらう、間に専門家(医師・臨床心理士・精神保健福祉士)に入ってもらう、口頭でダメなら手紙で伝えてみる、などの工夫が必要かもしれない。


編集後記

いち当事者として、うつ病を乗り越えた経験を闘病記という形で綴りました。
「(医師などの専門家でなく)いち当事者目線」「主観を織り交ぜつつもリアルで簡潔に」を強く意識しました。

あらかじめ構成を考え書き始めたのですが、4年前のことゆえ、思い出すのに時間がかかったり、これも書きたい・書かなきゃが後から出てきたり、新たに構成を練り直さなければならないことが多く大分苦労しました。

この闘病記がうつ病当事者・それをサポートする人、一人でも多くの方の参考になれば喜びこの上ありません。

最後までお読みいただきありがとうございました。

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

 

 

新版 うつ病をなおす (講談社現代新書)

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うつ病から社会復帰へ向けて(うつ病闘病記 第4回)

はじめに


うつ病闘病記第4回。
このたびは「うつ病から社会復帰へ向けて」と題して、「もしかして治ったかも!?
」から社会復帰を果たすまで、私がどのような取組みを行なったかを書いた。

第1回:なぜ、私はうつ病になったのか?
第2回:うつ病になって私がまずしたこと、その効果は?
第3回:うつ病との闘い
第4回:うつ病から社会復帰へ向けて←今、ココ
第5回:うつ病闘病記まとめ



もしかして治ったかも?!


うつ病には敵わない。そう開き直り休養していると「もしかして治ったかも?!」と思われる兆候が突然訪れた。
これまでまったく読めなかった本が読めるようになったのだ。

実はこの辺りの記憶は定かでなく、この他に病状にどのような良化の兆候があったかおぼえていない。そのため、この部分に関しては割愛させていただく。

 

反撃開始

うつ病に対し劣勢に立たされていた私は、このタイミングで一気に反撃へと転じる。
順を追って書いて行く。

 

今、できることをする

とはいえ、あくまでまだ「(治った)かも?」の段階である。
だから、「無理をしない」「今、できることを」「少しずつ」、この3つを心掛けた。
小さな山を越えたら、次はもう少し高い山を、それを越えることができたら、さらにもう少し高い山をというスタンスだ。

まずは衣食住のうちの、衣住を整えた。

住は、部屋の大掃除をした。
これまで定期的に彼女が部屋の掃除をしてくれていたものの、大掃除は私がうつ病になってから一度もしていなかった。それもあって、3日がかりで細かいところまで徹底的に掃除した。掃除すること自体気分がいいものだし、キレイに片付いた部屋を見ても気分が良かった。

衣は、身だしなみを整えた
シャワーを浴びた。美容室で髪を切った。出ていた鼻毛を切った。眉毛を整えた。顔のムダ毛を剃った。顔に化粧水と乳液を塗った。その整った状態をキープするようにした。

うつ病でない人からすれば少し頑張ればできること。たったこれだけのことかもしれない。しかしこれまで私は、たったこれだけのことすらできなかったのである。それができたことは、私にとって大きな自信となった。また、部屋が片付いてキレイで身だしなみが整っていることはとても気分が良かった。そんな小さなキッカケから、私は少しづつ社会復帰へ向け活動できるようになった。

スポーツジムへ通い始める

次に、スポーツジムへ通い始めた。

二年の療養生活で私の体重は14kgも増え、過去最高体重を記録していた。
私は太っても顔に出ないが、お腹だけがポコッと膨れ、餓鬼のようになってしまう。
その姿は醜く、自己肯定感を低下させるには十分だった。
だから、どうしてもダイエットを成功させたかったのである。

スポーツジムへは約8ヵ月通った。ペースは週3~4回。有酸素運動と筋トレをバランスよくこなした。結果、14kgのダイエットに成功し、私は体に自信を取り戻した。

スポーツジムへ通い運動することで、思わぬ副産物もあった。
脳の調子がめちゃくちゃいいのだ。頭はキレる気分が良く、元気で明るく過せた。抑うつに陥ることもなかった
運動には脳内伝達物質(エンドルフィン・ノルアドレナリン・ドーパミン・セロトニンなど)を整える効果がある。その効果によるものだろう。
詳細は下記の本を参照してほしい。値段はやや高く、ページ数も多いが、運動とストレス・不安・うつ・依存などとの関係についてくわしく書れている良書だ。
うつ病のリハビリに、私は運動を強く推す

 

脳を鍛えるには運動しかない!  最新科学でわかった脳細胞の増やし方

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職業訓練制度へ通い始める

ジム通いと並行し、私はさらに国の提供する職業訓練へ通い始めた。

期間は6ヵ月。時間は9時~14時半過ぎまで。平日は、ほぼ毎日講義があった。
生活リズムが整い、リハビリには丁度いい。また訓練を受けながら月10万円が支給を受けられる制度があり、それも大きな動機となった。
まともに通えなかったら、また元の療養生活へ戻ればいい。もし休まず通えるようなら社会復帰は目前だ。皆勤賞という目標を掲げ職業訓練へ臨んだ。

職業訓練で学んだのは心理学。心理学はもともと興味があったし、私自身これまでいくつかの精神疾患を患った経緯があり、ここで一度しっかりと学んでみたいとの思いからこの訓練を選んだ。クラスは30名。20代から50代まで幅広い年齢層の方がおり、やや女性が多かった。講義は臨床心理士の資格を持つ先生が担当するなかなか本格的なものだった。グループディスカッションが多かったことから、クラスの仲間とも仲良くなれた。こうやって毎日決まった場所へ通い学ぶのは高校生以来。新鮮で楽しい6ヵ月だった。
結果、私は見事皆勤賞を達成し、職業訓練を卒業した。社会復帰へ向け大きな自信となった。

卒業後、フルタイムでの仕事復帰を希望するのであれば職業訓練制度はオススメである。9:00~17:00の仕事での復帰を希望しているなら、9:00~15:00前後で行なわれている訓練を選択するのが望ましいのではないだろうか。訓練を受けながら給付金が受けられる制度は、私が職業訓練を受講していたときよりも要件が厳しくなっているようだが、まだあるようである。詳しくはハローワークへ問い合わせてみてほしい。

 

祝!寛解

職業訓練とスポーツジムへ通っていたとき、私のうつ病は寛解を迎えた。
うつ病が良化してきていたタイミングで、職業訓練へ通ったことで生活リズムが整い、スポーツジムへ通い運動したことで脳内伝達物質が整ったためだろう。
寛解したときは、まるでサナギが脱皮して蝶になったような自分が生まれ変わったようだった。これは決して大袈裟ではない。本当にそう感じたのだ。


いざ社会復帰

 

三年振りに働いてみて

職業訓練を卒業した私は、職業訓練を提供していた企業からアルバイトとして働かないか?と打診を受けたので、ありがたく働かせてもらうことにした。
三年もの長いブランクを経ての仕事復帰。まずは自分の能力やスキルが衰えているか否かを知りたかった。その目的を果たすには、まずはアルバイトくらいがちょうどよかった。
働いてみると能力もスキルも衰えておらず、これまで通り働けることがわかりホッとした。
ちなみにこの会社はブラック企業だったため、3ヵ月で早々に退職させていただいた。

無事社会復帰を果たす

アルバイトを辞めて数ヵ月後、製造業へ就職が決まり社会復帰を果たした

社会復帰にあたり、オープンにするかクローズにするかという選択に迫られる。
オープンとは自分がうつ病であった旨を面接で会社へ事前に伝えること。クローズは、その逆である。
私はクローズ一択だった。理由は、いくつかの可能性の高さにある。1つは就職の間口が狭まる可能性、2つ目はうつ病歴があるということで、これまでと同様の仕事をさせてもらえない可能性、3つ目は一度オープンにしてしまうと業界内で情報がシェアされ、二度とクローズにはできない可能性である。

働くにあたり、私はまず再発しないことだけに注意を払った
なんとなく気分が沈んでいる日は会社を休んだこともあった。仕事中もいい意味で手を抜いた。
再発すれば、また数年もの時間を失うかもしれない。そのリスクを考えたら、他人や会社に何を言われようが、そうすることが合理的だと私は思う。
会社はあなたを守ってくれない自分を守るのは自分自身。これだけは絶対に忘れないでほしい。


そして、今


寛解を迎えてから4年、社会復帰を果たした会社を退職し、私は今、中小企業診断士資格を取得し、個人事業主として働いている。
経験と取得した資格を活かし独立したのだ。

幸いこれまで再発していない

一度うつ病になると、その後無理が利かなくなるという話を聞く。
これに関して私は、そうだともそうでないとも言えない。
私に限った話では、資格取得の勉強のとき、会社を辞め独立したとき、無理をせざる得ない場面があった。だから無理もした。というか、無理できた。
ただ再発を避けたい、その思いから自分でも気付かないうちにブレーキをかけてしまうことは今でもよくある。それを無理が利かなくなるというのなら、そうなのかもしれない。

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

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新版 うつ病をなおす (講談社現代新書)

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うつ病との闘い(うつ病闘病記 第3回)

はじめに


うつ病闘病記第3回。
このたびは「うつ病と闘う」と題し、うつ病により働くことができなくなり、療養生活を余儀なくされた二年間のことを書いた。最も闘病記らしい回かもしれない。

うつ病と闘うとは?」「どんな気持ちで闘病中すごしていたか?」「働かず療養に専念するとは?

第1回:なぜ、私はうつ病になったのか?
第2回:うつ病になって私がまずしたこと、その効果は?
第3回:うつ病との闘い←今、ココ
第4回:うつ病から社会復帰へ向けて
第5回:うつ病闘病記まとめ


 

うつ病と闘うとは?

 

うつ病になり、私は以下の個別の病状が現れた。

1.抑うつ
抑うつとは憂うつ・気分が重い・気分が沈む・元気がない状態である。
理由があるわけではないのに、テンションが低く落ち込んでいる状態がとめどなく続く。

2.身体症状
体がだるい・重い、疲れやすいなど。

3.意欲の低下
進んで何かをしようと思えなくなる。

4.集中力の低下
1つの物ごとに集中して取り組めなくなる。

5.何をやってもつまらない
これまで楽しかったはずのことが、楽しくなくなる。
何をやってもつまらなくなる。

6.睡眠障害
眠れなくなる「不眠」、いつもよりも眠り過ぎてしまう「過眠」、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」、睡眠の途中に目を覚ましてしまう「中途覚醒」がある。

7.死にたくなる
理由があるわけではないのに、死にたくなる。
俗に言う「希死念慮」というもの。


個別の病状が相まって、以下2つの病状も引き起こした。

8.何もかもが億劫になる
これまで当たり前にできていたことが嘘のようにできなくなる。
抑うつ・身体症状・意欲の低下によるものである。
朝起きて歯を磨くこと、顔を洗うこと、夜、シャワーを浴びることができなくなる。
これらができなくなると不潔だから外出したくないし、人にも会いたくなくなる。だから一日中部屋にひきこもるという悪循環に陥る。当時、私もおおよそ3日に1回、ひどいときになると一週間に1回しかシャワーを浴びることができなかった。
食事を取ることまでもが億劫になる。
朝昼食べないことが増える。とはいえお腹は空く。だから夜ドカ食いする。昼夜逆転しているときは夜食も食べる。こんな食べ方で太らないわけがない。私は療養中に体重が10㎏以上増え、過去最高体重を記録した。

9.昼夜逆転
私の睡眠障害は、眠れない「不眠」と眠り過ぎてしまう「過眠」を同時に抱えるものだった。
睡眠薬を飲もうが、とにかく眠れない。眠れないから寝る時間が遅くなる。すると、起きる時間が遅くなる。過眠により日中寝てしまう。すると、ますます夜眠れなくなる。この悪循環により、私は昼夜が逆転してしまった。


抑うつで気分は良くない。体はだるいし、重い。気分転換しようにも、意欲が沸かない。仮に何かできても、集中力がなく続かない。そもそも何をやってもつまらない。気分転換どころか必要最低限のことすらできず、まともな日常生活が送れない。そして理由もなく死にたくなる。こんな現実から目を背けたくて、眠ってしまいたいのに眠ることもできない。挙句の果ては昼夜逆転である。
完全に詰んでいる。こんな毎日が二年続いた。

療養期間二年のうち初めの一年半は苦しみから早く逃れるべく、一刻も早く治すべく、うつ病とガチで闘った。ゴリ押しし、もがけるだけもがいた。
十分に休養を取ること・薬物療法はもちろん、他、うつ病に良い言われることは、ほとんど試した。朝日を浴びる、散歩する、運動、食事などなど(知人から新興宗教の勧誘を受けたが、さすがにそれは断った)。
しかし、何を何度やっても、いくら工夫しても、まったく良くならなかった。途方に暮れるしかなかった。ダメなときは何をやってもダメ、うつ病とはそういう病気なのだ。

療養期間二年のうち残りの半年は、うつ病に負けを認め開き直った
打ち手はすべて打った。それでも良くならないなら、もう開き直るしかない。押してダメなら引いてみろだ。もうどうにでもなれまな板の鯉だ。
開き直ってからは、ベットの上でひたすら映画やドラマを観ていた。
ネットで評価の高い様々なジャンルの映画を片っ端から借りては観た。朝ドラ「ゲゲゲの女房」は第一話から最終話まで一気に観た。アニメ「君に届け」にドハマりした。
後々考えてみると、この開き直りが私の療養生活の転機となった。
これまでは、コントロールできないうつ病という病を、力づくでコントロールしようとしてきた。しかし開き直ってからは、コントロールできないものをコントロールしようとしなかった。これが良かったのだと思う。開き直ることができたおかげで、本当の意味で休むことができるようになったのだ。

では、初めから開き直れるか?正直それは難しいのではないかと思う。

理由は、うつ病になった誰もが早く苦しみから逃れたい、治したいと思うからである。だから、そのための努力をする。しかし私のように、その努力が裏目に出ることもある。思いが強すぎるがゆえ頑張り過ぎてしまい、心身共に休めていないのである。だから私は、「開き直りはガチで闘った上の産物」だと私は思っている。

 

どんな気持ちで闘病中をすごしたか?


働かず療養していると、時間だけは売るほどある。それが良くない。
時間がある分、余計に悩み考えてしまうのだ。「なぜ、人は悩むのか?それは悩む時間があるからだ」という言葉は的を得ているように思う。
よく悩み考えるのは以下、大きく分けて4つのことについてである。

1つは、病気について。
先に書いたとおり、病状により気分は良くない。加えて、毎日、夜寝て朝起きる、歯を磨く・顔を洗う・シャワーを浴びるという当たり前の生活ができない。その上、昼夜逆転である。
こんな生活でいいはずがない。そんなことは誰よりも自分が一番良くわかっている。
病気ゆえ仕方ないといえど、こんな不甲斐ない生活を送っている自分を責めてしまう

2つ目は、人と比較してしまうことについて。

「みんなは会社へ行き働いている。なのに私は…」「私がこうしている間に、みんなはどんどん先へ進んでいる」「社会とのつながりがない」

人と比較することで生じる惨めさ後ろめたさ自己否定焦り不安。社会とのつながりが断たれたことで疎外感が生じる。

3つ目は、過去現在未来について。

「うつ病になる前に戻れたら…」
「うつ病にさえならなければ…」「望んでなったわけじゃないのに、どうしてこんなにつらい思いをしなければならないのか?」「どうして私なの?」
「いつ治るのか?」「もしかしたら、一生治らないんじゃないか?」

過去への執着現実を受け入れられない未来への不安
うつ病になった現実は、すぐに受け入れられるものではない。このような悩み考えても仕方のないことに悩み考え抜いた末、ようやく現実として受け入れられ、初めて前を向けるのである。また、過去への執着は、過去が輝かしい人であるほど大きいのかもしれない。

4つ目は、お金について。
私は貯金が尽きた後、親からの最低限の仕送りだけで生活していた。
お金がないということはひもじく不安になるものである。

うつ病者に自殺者が多いのは、希死念慮(死んでしまいた)によることはもちろん、それに加え、このように様々な悩みが重なることで自己肯定感が低下しているからなのだろう。

 

働かず療養に専念するとは?

 

働かず療養に専念することは時間との戦いでもある。
暇なのだ、それもすごく
十分な休養を取ると言えば聞こえはいいが、病気という点だけ除けば、生活の実態は半ばひきこもりのようなものだ。


これまでは1日8時間働いていた。通勤・退勤、出勤するための準備時間を含めると約11時間は働くということのために使っていただろう。それらすべてをする必要がなくなったのだから、当然といえば当然だ。

そもそも人は、暇が苦手な生き物だ。
古い中国のことわざにこんな言葉がある。「小人閑居して不善をなす」。ザックリした意味は、「大したことない人間が、時間を持て余したところでロクなことをしない」である。
また、精神科医齊藤環先生も著書「世界一やさしい精神科の本」で、「99.9%の人々はひきこもりに向いていない。(中略)健康にひきこもるには、すごく特殊な才能と、ものすごく強い意思が必要である」と述べている。

小人たる私が、この有り余った時間をどう使うか?
お金は限られている。お金を多く使う時間の使い方であってはならない。
さらに言えば、「潰す」よりも「積み重ねる」時間の使い方が望ましい。
私は様々な時間の使い方を模索した。

しかし、病状により何もする気になれない、何かしても続けられない。そして何をしてもつまらない。
読書、漫画を読む、ドラマ・映画を観るなど様々なことに試してみたが、どれも上手く行かず、ゴロンと横になり天井を見つめる日々が続いた。

このような経緯があり、私はパチスロ依存症を再発させてしまう。
私は過去、最高で600万円、トータルで1,000万円近くをパチスロに溶かした重度のパチスロ依存症者だ。これまでやらないことに成功していたが、この暇で退屈な時間が再発の引き金となった。

依存症界隈でよく使われる言葉に「HALTに気をつけろ」というものがある。
HALTとは、Hungry(空腹)Angry(怒り)Lonely(孤独)Tired(疲労)の頭文字を取ったもので、こういう状況ではスリップ(再び依存行為をしてしまうこと)しやすいから気をつけろよと警笛を鳴らす意味で「HALTには気をつけろ」、そう言われている。
私は、このHALTにもう一つ付け加えたい。それは、Tedium(退屈)である。
さきほどの小人閑居して不善をなすという言葉が示す通り、人は暇になるとロクなことをしない。

依存症になると、人の脳は変わってしまう。一度変わった脳はもう元に戻らないのだという。わかりやすい例えで「たくあんになった脳みそは、二度と大根には戻らない」と言われている。私の脳はパチスロで大きな「快」を得られるのに対し、他のことではなかなか「快」を得られにくくなっているのだ。

パチスロだけは意欲が沸き、集中し楽しむことができた
依存症が再発したこと、お金を著しく消費する時間の使い方であることが良くないことは十分承知していながらも、病状が軽い日はパチンコ屋へ通う日が続いた。

誤解を生まぬために、一つだけ伝えておきたいことがある。
それは、うつ病で療養しているからといって1日中寝ているわけではないということである。
病状には重い軽いの波がある病状が軽く外出できる日もある一方、病状がひどく、寝ていることしかできない日もある
むしろ寝てばかりいることが、健康に良くないことくらいは誰の目から見ても明らかであろう。体は鈍り、気分が塞ぎ込む。社会とつながりも断絶される。
うつ病で働かず療養しているにも関わらず外出などけしからん!楽しむなんてもってのほか!という批判は控えていただきたい。
自身のパチスロを正当化するわけではないが、病状が軽いときは普段と同じように外出し、外の空気に触れるまた、人に会い会話する病状が重いときは大人しく休む。これが療養の正しいあり方だと私は思っている。
 

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

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世界一やさしい精神科の本 (河出文庫)

世界一やさしい精神科の本 (河出文庫)

 

 

うつ病になって私がまずしたこと、その効果は?(うつ病闘病記 第2回)

はじめに


うつ病闘病記第2回。
このたびは、「うつ病になって私がまずしたこと、その効果は?」と題して、「生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)」に基づき、生物学的アプローチ(薬物療法)・心理学的アプローチ(心理療法)・社会学的アプローチ(環境調整)ごとに、「うつ病になって、私がまず何をしたか?」「その効果はどうだったか?」について書いている。

第1回:なぜ、私はうつ病になったのか?
第2回:うつ病になって私がまずしたこと、その効果は?←今、ココ

第3回:うつ病との闘い
第4回:うつ病から社会復帰へ向けて
第5回:うつ病闘病記まとめ

 

 

生物学的アプローチ(薬物療法)


心療内科に通院し、薬物療法を行なった

 

病院あれこれ

最初、近所の精神科へ通院した。しかし主治医との相性が悪く、数回通院しバックレた。

次は、少し離れた心療内科へ通院した。現在もここへ通院している。
ここは大きな病院が運営しているクリニック。その病院から比較的若い医師が派遣されている模様。その関係で担当医が1年で変わる。医師の質はいい意味で安定している。通院頻度は2週間に1回、現在は1カ月に1回。
診察時間は10~15分。完全予約制のため、待ち時間は長くても20分程度
余談だが、1年目の担当医は美人女医で通院の大きな励みとなった。

 

薬あれこれ

処方薬は以下の4種類。

1.ドグマチール(胃腸薬・抗うつ薬/50mg/1日1錠)
2.メイラックス(抗不安薬/2mg/1日1錠)
3.トレドミン(SNRIタイプの抗うつ剤/25mg/1日2錠)
4.マイスリー(睡眠薬/5mg/寝る前1~2錠)


心療内科へ通院してから、今もこの処方は変わっていない。
今は減薬中につきトレドミンは1日1錠、マイスリーは処方してもらうときともらわないときがある。
いたずらに薬の種類や量を増やす医師が多いと聞くが、そうでなかったことは幸運だった。

 

薬はうつ病に効くか?

あくまで私の経験の中だけで結論を出せばこうだ。


薬は効くこともあるが、効かないことの方が多い

うつ病になり初めて薬を飲んだときは、たしかに大分楽にはなった。

しかし、トータルで考えると効かないことの方が多かった。
効いていたからこそ、この程度の苦しみで済んだとも言えるのかもしれないが、睡眠剤を飲めど眠れないときは眠れないし、抗うつ剤を飲んだからといって下がった気分が必ず上がるものでもない。

そもそも私は、主治医に「もっと効く薬はないですか?」「もっと効く薬に変えてください」と質問やお願いをする患者ではなかった。主治医に処方について質問やお願いをすることが望ましいか否かという話は置いておいて、このような取組みをしていれば効く薬に巡り合え、病状を和らげることができたのかもしれない。
なぜ私がこのような取組みをしなかったかというと、いい意味で言えば専門家として主治医を信頼しており、自分がすべきは病状を的確に伝えることを割り切っていたためであり、悪い意味で言えば薬物療法に対し受け身だったということだろう。

より病状を和らげるため主治医に質問やお願いをしている方も病みアカ界隈にはいらっしゃる。そういう方を何人も見てきたが、そういう方であっても薬を変えたらドンピシャで病状が劇的に改善したという人は少なく感じる。

薬はあくまで対処療法に過ぎない。病状を和らげるためのものであって、治すためのものではない。これが私の薬物療法に対する持論である。薬さえ飲めばうつ病になる前の自分に戻れるという都合の良い話はそうそうない。

 

私が薬物療法についてアドバイスできることは、

1.通院日に必ず通院すること
2.処方薬は飲み合わせに気をつけ、タイミング・量・方法を守って飲むこと
3.勝手に断薬をしてはならないこと

の3つである。

 

 

心理学的アプローチ(心理療法)


臨床心理士によるカウンセリングを受けた


うつ病発病から2ヵ月が経った頃、都内にあるカウンセリングルームにて、臨床心理士による対面カウンセリングを受けた。
このカウンセリングルームを選んだ理由は、アダルトチルドレン(AC)に対するカウンセリングを行なっていたからである。うつ病の根っこには、アダルトチルドレン(AC)特有の認知の歪みがあると踏んでいた私は、それを治すべくこのカウンセリングルームへ通うことにした。
時間は1回60分料金は13,000円週1回のペース期間は3ヵ月
担当の臨床心理士は、私より年上のきれいな女性。とてもいいカウンセラーだった。

 

うつ病にカウンセリングは効くか?

あくまで私の経験の中だけで結論を出せばこうだ。


カウンセリングにうつ病を抑制する効果はない
しかし、生きづらさを和らげる認知や考え方を身に付けるキッカケとなる

カウンセリングにうつ病を抑制する効果があるか?私はないという立場だ。
実際私はうつ病発病から間もない時期ににカウンセリングを受けたが、病状がひどくなったのはその後だ。うつ病発病後では、カウンセリングはあまり効果がないと臨床心理士の先生もおっしゃっていた。

だからといって、私はカウンセリングを否定しているわけではない
そもそも、人様にネガティブな心の内を60分ぶっ通しで聞いてもらったことがある人は、そういないのではないだろうか?それができるカウンセリングは一時気分が楽になる
それに、人に話すことによって頭の中が整理されることもあるし、これまで自分では気付かなかった認知のクセに気付くこともある。またカウンセラーの言葉に、こういう考え方もあるのか?!とハッとさせられることも少なくない
カウンセリングとは、カウンセラーを写し鏡とし自分と向き合うものである。その過程で自分の認知の歪みに気付き、生きづらさを和らげる新たな考え方を獲得して行くのだ。
私自身カウンセリングを通し、それができたと思っている。だからカウンセリングを受けて良かったか?と問われれば、私は受けて良かったと答える。

とはいえ、カウンセリングは高額である。
私が通っていたカウンセリングルームは特に高額だったが、60分で平均7,000~13,000円が相場ではないだろうか(最近では、保険が適用されるカウンセリングもあるようである)。私はが月13,000円×4回×3ヵ月=156,000円を投じることができたのは、働いていたからこそ。
主治医と相談し、費用対効果を考えた上で受けることをオススメする。

 

私がカウンセリングについてアドバイスできることは、

1.エセカウンセラーを回避すること
(私は臨床心理士しかカウンセラーとして認めていない)
2.自分にあったカウンセラーを見つけること
(相性、カウンセラーの専門分野・得意分野)
3.主体的に取り組むこと

の3つである。

 

 

 

社会学的アプローチ(環境調整)


以下の環境調整を行なった


1.生活環境・職場環境
・うつ病で働けなくなったため、会社を退職した
・彼女と同棲中につき、自宅マンションで療養した

2.人間関係(家族関係)
・ごく一部の人にしか私がうつ病になったことを話さなかった
・どうしても以外、人と会う約束をしないようにした
・うつ病の理解を得るため、母にうつ病の本を1冊読んでくれるようお願いした
SNSは一切しなかった

3.経済状況(お金)

貯金はそこそこあった
・失業保険(90日分)


これはやって良かったと思った環境調整は、母にうつ病の本を1冊読んでくれるようお願いしたことだった。
母は私の願いを聞き入れ、うつ病の本を1冊読んでくれた。そのおかげか母はうつ病に理解を示し温かく見守ってくれた
離れて暮らしているとはいえ、身内に病気のことを理解してもらうことはとても大切である。

働かず療養に専念する上でもう1つ大切なことがある。最も大切なことと言っても過言ではない。お金の問題である。
先に書いた通り、私にはそこそこ貯金があった。だから足りるだろう、そう思っていた。しかし、そこは完全に私の見積りが甘かった。結果的に貯金は尽き、最低限の生活費を親に頼ることとなった。
翌年ガッツリ持って行かれる住民税、国民健康保険料、国民年金、何もしなくてもお金はなくなって行く。もちろん毎月の家賃、生活費(水道光熱費・食費等)、医療費、交通費はかかる。私は喫煙者なのでタバコ代も馬鹿にならない。想定外だったのは、ギャンブル依存症が回帰したことである。
働かず療養に専念する場合、かかる経費算出し、今の貯金でどれくらいの期間療養できるのか?貯金が尽きたらどうするか?はあらかじめ考えておく必要がある。

 

私が環境調整についてアドバイスできることは、

1.家族やパートナーに病気の理解を得ること
2.お金の見通しを立てておくこと

の2つである。

 

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

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新版 うつ病をなおす (講談社現代新書)

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なぜ、私はうつ病になったのか? (うつ病闘病記 第1回)

はじめに


私は4年前に、うつ病になった。
発病から寛解まで2年半、寛解から社会復帰まで1年、計3年半。

いち当事者として、その時の経験を闘病記として書きとめている。
この闘病記がうつ病当事者・それをサポートする人、一人でも多くの人に役立てば幸いである。


うつ病闘病記第1回。
このたびは「なぜ、私はうつ病になったのか?」と題して、うつ病になる前~うつ病を発病するまでを書いた。

私がうつ病になった経緯を「生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)」というフレームワークを用いて説明している。

 

第1回:なぜ、私はうつ病になったのか?←今、ココ
第2回:うつ病になって私がまずしたこと、その効果は?
第3回:うつ病との闘い
第4回:うつ病から社会復帰へ向けて
第5回:うつ病闘病記まとめ

 

私がうつ病になるまで

 

T社への転職
 A社(製造業)を辞め半年、T社(製造業)への転職が決まった。

T社では前職のスキル・経験をかわれ、 主任待遇でS部SK課へ配属された。
配属されたS部は、常務直轄のT社の生産機能の中枢。後に工場長のポストが確約されるエリート部署だ。もちろんボスは常務だ。

S部にはSK課とGK課がある。
SK課はF課長、私の2名。GK課はW課長、Hさん、M君の3名。
計6名の部署だ。

私はそこで生産計画の立案・統制、外注管理を主に任せられた。

前職のA社は、いい会社だった。
新工場の立ち上げに携わり、生産体制を整えた後、現場主任、生産管理、工場長を歴任した。
ほとんどを任され、結果さえ出せば口出しはされなかった。責任は重いが、その分権限があった。人間関係も良好だった。
残業は月100時間を下回ることのないハードワークだったが、私はむしろやりがいを感じていた。

しかし転職先のT社は、そんなA社とは正反対の会社だった。
 
 
転職して1週間の出来事
 
入社初日、オフィスに赴く前、総務課長にこう言われた。
「たかむら君、常務のYESマンとなることがS部で生き残る術だよ」

常務とは一度面接でお会いしていた。
そのとき私が常務に抱いた第一印象は、気難しく独善的で、パワハラ傾向。もしこの人が直属の上司だとしたらさぞ仕事はやりづらかろう。
総務部長がそう教えてくれるということは、常務は難しい人なのだろう。
総務課長のこの言葉を聞き、私は憂鬱になった。

初めて工場へ足を踏み入れたときのことは今でも忘れない。
「この会社はヤバい」、そう直感が働いた。
生気なくピリピリとした工場の空気、それはT社の社風を物語っていた。

同じ日に入社した、たった一人の同期はそれを察してか一週間で辞めてしまった。
 
 
パワハラ上司

 

私の直属の上司はF課長。
F課長は無愛想で神経質な人だった。工場長も兼務しており、いつも忙しく、いつも怒っていた。機嫌の悪いときは従業員を怒鳴り散らし、デスクに物を投げつける。 俗に言うパワハラ上司だ。

それは私に対しても例外ではなかった。
まず、「これをやれ」とだけ言われ仕事を振られる。F課長は仕事のやり方など教えてくれないのだ。
私はとりあえず、その仕事に取り掛かる。即戦力として採用されたとはいえ、 初めてやる仕事だ。わからなところも当然出てくる。
だから考える。考えてできるところもあるが、考えてできないところも当然ある。
考えてできないところは聞きに行く。しかし聞きに行くにもF課長は忙しい。F課長の様子をうかがわなくてはならない。
ようやくF課長の手が空いた。聞きに行くと「時間がない」、その一言でロクに教えてくれない。
だから与えられた最小限のヒントを元に、もう一度考える。しかし、わからないものはわからない。
だからF課長の様子をうかがい、再び聞きに行く。すると今度は怒られる。ときには怒鳴られる。

こんなことを幾度も繰り返し、私は新しい仕事受けるのが嫌になった。
これでは到底成果が上がるはずもなかった。

 
部のおかしな慣習
 
S部にはおかしな慣習があった。

「(今日は)お終いにするか」、ボスである常務からこの一言が出ない限りS部員は帰れない。

その後ロッカーで着替え、最寄りのコンビニへ行く。そこで常務が一人一本350mlのお酒をおごってくれる。それを飲みながら駅まで全員で歩くのだ。これは毎日の日課である。

それだけではない。
週に2、3日は常務の「飲んで帰るか」が発動。この一言でS部員全員が強制的に飲み会へと参加させられる。
常務が話し、部下5名はそれをひたすら相槌打ちながら聞く。ちなみに割り勘である。
 
 
うつ病発病?!
 
入社して半年、社風、パワハラ上司、部のおかしな慣習のトリプルアタックにやられ、満足に成果を上げることができていなかった私は、病んでいた。

その頃、とうとう心身に異常をきたす。
朝の吐き気と憂鬱、ミスの増加、それと睡眠障害(ナルコレプシー)。
うつ病の典型的な症状である。

とくに睡眠障害(ナルコレプシー)には悩まされた。
ナルコレプシーとは、 日中において場所や状況を選ばず起こる強い眠気の発作を主な症状とする脳疾患(睡眠障害)である。
次の駅で降りなければならない。一駅前までは起きているし、そうわかっているのである。ところが気付くと3駅乗り過ごしている。会議でいつの間にか寝てしまっていた。そんなことがしょっちゅうだった。

どう考えてもおかしい。もしやうつ病ではないか?
そう思ってインターネットのうつ病チェックをしてみると、うつ病の可能性が高いことがわかった。
うつ病の症状を調べても、当てはまるものばかりだった。

後日、精神科を受診し、その2ヵ月後、臨床心理士によるカウンセリングも受けた。
(精神科受診とカウンセリングについては、第2回でくわしく書く)
 
 
退職
 
精神科で処方された薬を飲み、カウンセリングで溜まったストレスを吐き出したことで大分楽にはなった。
しかし私は、T社を自主退職することに決めた。
自主退職については、カウンセリングを担当していた臨床心理士と複数回話し合った末、最終的には自分で決めた。

休職や傷病手当金をもらうなどの選択肢もあった中、自主退職を決めた理由は3つある。
1つは、ストレスの根源であるT社で働くということを取り除かない限りうつ病は治らないだろう、しかしT社が変わることは望めない。そう判断したため。
2つ目は、私に「いつも通り成果を出せないのであれば去るのみ」という変なこだわりが私にあったため。
3つ目は、病状が進んでいたことから一刻も早くT社を去りたかったため。

辞める直前、お世話になった部署へ挨拶へ回ると、皆、温かかった。
総務部長からは、S部はこれまで何人も中途採用したものの、常務・F課長のパワハラに耐えきれず、皆退職してしまったこと、S部に限らず、T社はメンタルに支障をきたし休職・退職する従業員が多いことを聞かされた。K部・B部の部長からは、「S部だもんね…(あの常務とF課長のいるS部では無理はない。あなたで挨拶に来るのは4人目だ)。」

心身に異常をきたしてから半年、入社してから1年で私はT社を退職した。
最後まで、不愛想なF課長の笑った顔を見ることはなかった。

余談だが、私はT社退職から数ヵ月経った頃、外資P社で再び働いた。
T社を退職してから睡眠障害(ナルコレプシー)の症状は出ず、もしかしたらまた働けるのではと思ったのだ。
しかし、働きだすと睡眠障害(ナルコレプシー)が再発。結局、たった3ヵ月で退職することとなる。

それを期に、私は働かず闘病することを決意する。
 
 

なぜ、私はうつ病になったか?

 

T社が合わなかった、T社の労働環境が良くなかった、そのことが原因でうつ病になった。そういう体で書いてきた。
しかし、それだけでなく原因は他にもあると考えている。
それを「生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)」というフレームワークを用いて明らかにして行く。

生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)」とは

生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)は、精神医学で用いられる考え方である。ロマンチェスター大学の精神科医であったG.エンゲルが提唱した。
生物―心理―社会モデルでは、人間は「生物的要因」「心理的要因」「社会的要因」からなり、それぞれは影響し合あっているとされている。
生物学的精神医学の診断・治療のみにこだわる視点ではなくて、人間のメンタルヘルス(心の健康)や認知行動パターン、不適応問題を以下の3つの領域から網羅的・統合的に理解していこうとする。
具体的には下表参照。

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ちなみに、主治医曰く、精神科医は以下3つを元に診断するのだという。

1.DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル(アメリカ精神医学会)やICD―10 精神および行動の障害―臨床記述と診断ガイドライン(WHO)


2.生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)

3.その精神科医の見立て

 

私うつ病発症を生物―心理―社会モデルに当てはめてみる

1.元々以下の要因があった

・メランコリー親和型[心理的要因)
・アダルトチルドレン(AC)ゆえの認知の歪み(心理的要因)
・これまでの闘病生活で精神的に消耗していた可能性(心理的要因)
・T社入社前から見られたうつの傾向(生物的要因)

2.それに以下の要因が加わった
・会社・上司と合わなかった(社会的要因)
・会社の労働環境か良くなかった(社会的要因)


3.その結果
・うつ病を発症した(生物的要因)

 


※なお、「生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)」については、下2つのサイトから引用させていただきました。

生物―心理―社会モデル

 

“生物―心理―社会モデル”によるメンタルヘルスや認知傾向の多面的な理解:対人援助の相補的協働 カウンセリングルーム:Es Discovery/ウェブリブログ


うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

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