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精神障害者雇用の現状 (ハローワーク「平成27年度・障害者の職業紹介状況等」より)

はじめに


平成30年4月1日、「障害者の雇用の促進等に関する法律」(以下 障害者雇用促進法)が改正され、精神障害者も法定雇用率の算定基礎対象へ加わることとなる。
それを踏まえて「精神障害者の雇用・就労」をテーマに、いくつかに分けてエントリーを書こうと思う。
このたびは、第二段として『精神障害者雇用の現状 (ハローワーク「平成27年度・障害者の職業紹介状況等」より)』と題して、ハローワーク「平成27年度・障害者の職業紹介状況等」を基に、精神障害者雇用の現状をわかりやすく伝えたい。
詳細なデータものせているが、「結論から述べれば」もしくは太線とまとめだけ読めばおおむねわかるように書いたつもりだ。
ちなみに第三段は平成28年4月1日および平成30年4月1日の障害者雇用促進法の改正点についてお伝えするつもりだ。

 

結論から述べれば


<障害者雇用全体>

障害者雇用全体では、新規求職申込件数は9年連続の増加、有効求職者数・就職件数・就職率は6~8年連続増加。障害者雇用の伸びは堅調。

障害者雇用は有効求人倍率の影響を受けている可能性がある。

<精神障害者雇用>

新規求職申込件数・有効求職者数・就職件数の伸び率が対前年比約10%増と、精神障害者は大きな伸びを示している。

障害者全体の対前年比増加件数に占める精神障害者の対前年比増加件数の割合は、新規求職申込件数で89%、有効求職者数で75%、就職件数で69%と、障害者全体の伸びに精神障害者は大きく貢献している。

障害者全体に占める精神障害者の割合は、、新規求職申込件数で43%、有効求職者数で38.5%、就職件数で42.6%と、精神障害者は障害者全体の中で存在感を増している。


ハローワーク「平成27年度・障害者の職業紹介状況等」からみる精神障害者雇用の現状

 

ハローワークにおける障害者の職業紹介状況

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まず、障害者全体について見て行く。
ここでいう障害者とは「身体障害者」「知的障害者」「精神障害者」「その他の障害者」を指す。
ちなみに「その他の障害者」とは、「発達障害者」「高次脳機能障害者」「難治性疾患患者」等である。


■新規求職申込件数

新規求職申込件数とは、期間中に新たに受け付けた求職申込みの件数である。

全体
平成27年の新規求職申込件数は187,198件。前年と比べて7,976件、4.5%増加している。平成18年~27年まで9年間一貫して増加し、1.81倍の伸びを示している。

身体障害者
63,403件。前年と比べて△1,862件、△2.9%減少している。
3年連続の減少。


知的障害者
33,410件。前年と比べて1,097件、3.4%増加している。
9年間連続の増加。

精神障害者
80,579件。前年と比べて7,097件、9.7%増加している。
9年間連続の増加。

その他の障害者
9,806件。前年と比べて1,644件、20.1%増加している。
9年間連続の増加。


■有効求職者数
有効求職者数とは、前年から繰り越された求職者数とその年の新規求職者数の合計ハローワークに登録されている求職者数

全体
平成27年の有効求職者数は231,066人。前年と比べて12,153人、5.6%増加している。8年連続の増加。平成18年~27年の9年間で1.52倍の伸びを示している。

身体障害者
91,939人。前年と比べて402人、0.4%増加している。

知的障害者
41,803人。前年と比べて1,259人、3.1%増加している。
7年連続の増加

精神障害者
88,857人。前年と比べて9,061人、11.4%増加している。
9年連続の増加。

その他の障害者
8,467人。前年と比べて1,431人、20.3%増加している。
9年連続の増加。


■就職件数

就職件数とは、有効求職者がハローワークの紹介により就職したことを確認した件数である。

全体
平成27年の就職件数は90,191件。前年と比べて5,589件、6.6%増加している。7年連続の増加。平成18年~27年の9年間で約2.05倍の伸びを示している。

身体障害者
28,003件。前年と比べて△172件、△0.6%減少している。
2年連続の減少。

知的障害者
19,958件。前年と比べて1,235件、6.6%増加している。
6年連続の増加。

精神障害者
38,396件。前年と比べて3,858件、11.2%増加している。
9年連続の増加。

その他の障害者
3,834件。前年と比べて668件、21.1%増加している。
9年連続の増加。


■就職率

就職件数を新規求職申込件数で除した割合である。

全体
平成27年の就職率は48.2%。前年と比べて1.0%増加している。6年連続の増加。
平成18年~27年の9年間で約1.13倍の伸びを示している。

身体障害者
44.2%。前年と比べて1.0%増加している。
4年連続の増加。

知的障害者
59.7%。前年と比べて1.8%増加している。
6年連続の増加。

精神障害者
47.7%。前年と比べて0.7%増加している。
6年連続の増加。

その他の障害者
39.1%。前年と比べて0.3%増加している。
4年連続の増加。

 

<障害者雇用全体のまとめ>

障害者雇用全体
新規求職申込件数は9年連続の増加有効求職者数・就職件数・就職率は6~8年連続増加

身体障害者
新規求職申込件数・就職件数は2~3連続の減少。有効求職者数は増減なし、就職率は4年連続の増加。

知的障害者
新規求職申込件数9年連続の増加。有効求職者数・就職件数・就職率は6~7年連続増加。

精神障害者
新規求職申込件数・有効求職者数・就職件数は9年連続の増加就職率は6年連続増加

その他の障害者
新規求職申込件数・有効求職者数・就職件数は9年連続の増加。就職率は4年連続増加。
※その他の障害者の著しい増加は、昨今「発達障害」の認知が高まったためと筆者は認識している。

 

 

有効求人倍率と障害者雇用


ここで有効求人倍率は障害者雇用に影響を及ぼすかについて見て行きたい。

有効求人倍率とは、有効求職者数に対する有効求人数の割合で、雇用動向を示す重要指標のひとつ。景気とほぼ一致して動くので、景気動向指数の一致指数となっている。厚生労働省が全国のハローワークの求職者数、求人数をもとに算出し、「職業安定業務統計(一般職業紹介状況)」で毎月発表している。有効求人数を有効求職者数で割って算出し、倍率が1を上回れば人を探している企業が多く、下回れば仕事を探している人が多いことを示す。(初めてでもわかりやすい用語集|SMBC日興証券

より)

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一般職業紹介状況(職業安定業務統計)より

shikiho.jp


厚生労働省の調査によると、有効求人倍率は2009年から増加の一途をたどり、2017年3月時点1.45倍とバブル期のピークに迫る高水準で推移している。
有効求人倍率が上昇する前と上昇を始めたときで、障害者雇用の新規求職申込件数と就職件数の伸び率を比較してみる。

有効求人倍率が上昇する前、H18(2006年)~H21(2009年)までの新規求職申込件数の伸び率は121%就職件数の伸び率は103%

一方、有効求人倍率が上昇を始めたH21(2009年)~H27(2015年)の新規求職申込件数の伸び率は149%就職件数の伸び率は199%である。

有効給仕倍率の上昇に比例して障害者雇用の新規求職申込件数および就職件数も伸びていることから障害者雇用は有効求人倍率の影響を受けている可能性が高いといって良いだろう。
今後さらに有効求人倍率が上昇する可能性もあるが、障害者雇用を望む者にとって今がチャンスといえるのではないだろうか。

 

精神障害者の職業紹介情報

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次は、精神障害者のみをピックアップして見て行く。


■新規求職申込件数

全体
187,198件。前年と比べて7,976件、4.5%増加している。

精神障害者
80,579件。前年と比べて7,097件、9.7%増加している。

障害者全体の新規求職申込件数に占める精神障害者の新規求職申込件数の割合は43%
障害者全体の対前年比増加件数に占める精神障害者の対前年比増加件数の割合は89%
精神障害者の新規求職申込件数の増加が、障害者全体の新規求職申込件数増加をけん引している。


■有効求職者数

全体
231,066人。前年と比べて12,153人、5.6%増加している。

精神障害者
88,857人。前年と比べて9,061人、11.4%増加している。

障害者全体の有効求職者数に占める精神障害者の有効求職者数の割合は38%
障害者全体の対前年比増加件数に占める精神障害者の対前年比増加件数の割合は75%
精神障害者の有効求職者数の増加が、障害者全体の有効求職者数増加をけん引している。


■就職件数

全体
90,191件。前年と比べて5,589件、6.6%増加している。

精神障害
38,396件。前年と比べて3,858件、11.2%増加している。

障害者全体の就職件数に占める精神障害者の就職件数の割合は43%
障害者全体の対前年比増加件数に占める精神障害者の対前年比増加件数の割合は69%
精神障害者の就職件数の増加が、障害者全体の就職件数増加をけん引している。


■就職率

全体
平成27年の就職率は48.2%。前年と比べて1.0%増加している。

精神障害
平成27年の就職率は47.7%前年と比べて0.7%増加している。

精神障害者の就職率は、障害者全体とおおむね同水準である。


■伸び率

新規求職申込件数
 全体:4.5%
 身体障害者:△2.9%
 知的障害者:3.4%
 精神障害者:9.7%
 その他の障害者:20.1%

有効求職者数
 全体:5.6%
 身体障害者:0.4%
 知的障害者:3.1%
 精神障害者:11.4%
 その他の障害者:20.3%

就職件数
 全体:6.6%
 身体障害者:0.6%
 知的障害者:6.6%
 精神障害者:11.2%
 その他の障害者:21.1%

就職率
 全体:1.0%
 身体障害者:1.0%
 知的障害者:1.8%
 精神障害者:0.7%
 その他の障害者:0.3%


■障害者全体に占める精神障害者の構成比

障害者全体の新規求職申込件数に占める各障害者の新規求職申込件数の割合
精神障害者43%、身体障害者は33.9%、知的障害者は17.8%、その他の障害者は5.2%の順に高く、精神障害者の割合が最も高い。

障害者全体の有効求職者数に占める精神障害者の有効求職者数の割合
身体障害者39.8%、精神障害者38.5%、知的障害者18.1%、その他の障害者3.7%の順に高く、精神障害者の割合は身体障害者に次いで2番目に高い。

障害者全体の就職件数に占める精神障害者の就職件数の割合
精神障害者42.6%、身体障害者31%、知的障害者22.1%、その他の障害者4.3%の順に高く、精神障害者の割合が最も高い。

 

<精神障害者雇用のまとめ>

 
新規求職申込件数・有効求職者数・就職件数の伸び率が対前年比約10%増と、精神障害者は大きな伸びを示している

障害者全体の対前年比増加件数に占める精神障害者の対前年比増加件数の割合は、新規求職申込件数で89%有効求職者数で75%就職件数で69%と、障害者全体の伸びに精神障害者は大きく貢献している。

障害者全体に占める精神障害者の割合は、、新規求職申込件数で43%有効求職者数で38.5%就職件数で42.6%と、精神障害者は障害者全体の中で存在感を増している

 

 

 

産業別就職状況(平成27年度)

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以下、5%以上の産業のみ記載


■ハローワーク全体における産業別就職状況(障害者を含む)

「医療・福祉(22.2%)」 → 「製造業(16.6%)」 → 「卸、小売業(13.6%)」 → 「サービス業(11.6%)」 → 「運輸、郵便業(5.9%)」 → 「公務・その他(5.8%)」 → 「建設業(5.8%)」 


■障害者全体における産業別就職状況

「医療・福祉(37.5%)」 → 「製造業(13.2%)」 → 「卸、小売業(12.8%)」 → 「サービス業(10.1%)」 


■精神障害者における産業別就職状況

「医療・福祉(42.6%)」 → 「卸、小売業(12.7%)」 → 「製造業(11.1%)」 → 「サービス業(9.6%)」

 

 

職業別の就職状況(平成27年度)

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以下、5%以上の職業のみ記載


■ハローワーク全体における職業別就職状況(障害者を含む)

「事務的職業(21%)」 → 「サービスの職業(18.2%)」 → 「生産工程の職業(14%)」 → 「運搬・清掃・包装等の職業(13.8%)」 → 「専門的・技術的職業(13.4%)」 → 「販売の職業(7.3%)」 → 「輸送・機械運転の職業(6%)」 


■障害者全体における職業別就職状況

「運搬・清掃・包装等の職業(34.8%)」 → 「事務的職業(20.5%)」 → 「生産工程の職業(12.9%)」 → 「サービスの職業(12%)」  → 「専門的・技術的職業(6.5%)」 → 「販売の職業(5.2%)」 


■精神障害者における職業別就職状況

「運搬・清掃・包装等の職業(35.8%)」 → 「事務的職業(21.7%)」 → 「生産工程の職業(12.2%)」 → 「サービスの職業(11.5%)」 → 「専門的・技術的職業(6.2%)」 → 「販売の職業(5.3%)」 

 

 

都道府県別の就職状況(平成27年度)

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■都道府県別の就職件数

就職件数で見ると、多いのはやはり大都市圏である。


■都道府県別の就職率

就職率が60%越え高い都道府県「岩手(61.6%)」「冨山(69.6%)」「石川(64.6%)」「福井(67.5%)」「島根(62.8%)」「岡山(62%)」「徳島(62.9%)」「沖縄(62.8%)」の8つ。

平成27年の就職率48.2%を上回った都道府県の数は、48都道府県中43都道府県

平成27年の就職率48.2%を下回った都道府県は、「埼玉(39.6%)」「千葉(40.7%)」「東京(32%)」「神奈川(34.5%)」「大阪(43.3%)」と大都市圏に目立った。

 

精神障害者枠で働く―雇用のカギ・就労のコツ・支援のツボ

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ソーシャルワークによる精神障害者の就労支援―参加と協働の地域生活支援―

ソーシャルワークによる精神障害者の就労支援―参加と協働の地域生活支援―

 

 

本書を読まずに障害者を雇用してはいけません!

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精神障害者雇用の現状(厚生労働省「平成28年障害者雇用状況の集計結果」より)

はじめに


平成30年4月1日、「障害者の雇用の促進等に関する法律」(以下 障害者雇用促進法)が改正され、精神障害者も法定雇用率の算定基礎対象へ加わることとなる。
それを踏まえて『精神障害者の雇用・就労』をテーマに、いくつかに分けてエントリーを書こうと思う。
このたびは、第一段として『精神障害者雇用の現状(厚生労働省「平成28年障害者雇用状況の集計結果」より)』と題し、厚生労働省「平成28年障害者雇用状況の集計結果」を基に、精神障害者雇用の現状をわかりやすく伝えたい。
詳細なデータものせているが、「結論から述べれば」もしくは太線とまとめだけ読めばおおむねわかるように書いたつもりだ
ちなみに第二段は『精神障害者雇用の現状 (ハローワーク「平成27年度・障害者の職業紹介状況等」より)』と題し、ハローワーク「平成27年度・障害者の職業紹介状況等」を基に、精神障害者雇用の現状をお伝えするつもりだ。

 

 

結論から述べれば


障害者雇用全体・精神障害者雇用共に増加傾向で順調に推移している。

まず、障害者雇用全体。
民間企業・公的機関共に雇用障害者数は前年より増加し、13年連続の過去最高を記録、実雇用率も前年より増加し、5年連続の過去最高を記録している。また、法定雇用率達成企業の割合も前年より増加している。
企業規模別の雇用障害者数、実雇用率、法定雇用率達成企業の割合、いずれも前年より増加している。また、産業別のそれもおおむね増加傾向である。

次に、精神障害者雇用。
精神障害者雇用者数は、平成18年から平成28年まで一貫して増加しており、伸び率は21倍を示している。その伸び率は身体障害者の1.38倍、知的障害者の2.39倍を大きく上回る顕著なものである。
また、平成30年4月1日から精神障害者も法定雇用率の算定基礎対象へ加わることから、今後、民間企業における精神障害者の雇用は増加が見込まれる。

厚生労働省「平成28年障害者雇用状況の集計結果」からみる精神障害者雇用の現状

 

民間企業における障害者の雇用状況

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■民間企業
民間企業とは、50人以上規模の企業を指す。

■雇用障害者数
雇用障害者数とは、その年に雇用された障害者の人数
平成28年の雇用障害者数は474,374人。前年より4.7%(21,240人)増加し、13年連続で過去最高を記録した。

雇用障害者の内訳は身体障害者327,600人(前年より2.1%増)、知的障害者104,746人(前年より7.2%増)、精神障害者42,028人(前年より21.3%増)と、いずれも前年より増加した。特に精神障害者の伸び率の大きさが目立った。

■実雇用率
実雇用率とは、企業の従業員数に占める雇用障害者数の割合
ちなみに法定雇用率とは、障害者雇用促進法で定められた民間企業および公的機関が雇用しなければならない障害者の割合。民間企業の法定雇用率は2.0%
平成28年の実雇用率は1.92%。前年1.88%より増加し、5年連続で過去最高を記録した。

 

<民間企業における障害者雇用全体のまとめ>
平成28年の雇用障害者数は前年より増加し、13年連続の過去最高を記録した。その中でも精神障害者の伸び率の大きさが目立った
平成28年の実雇用率は前年より増加し、5年連続の過去最高を記録した。

<民間企業における精神障害者雇用のまとめ>

雇用障害者全体数に占める精神障害者の割合は9%である。身体障害者は69%、知的障害者は22%と比べるとかなり少ない。
しかし、精神障害者雇用者数は平成18年から平成28年まで一貫して増加しており、その伸び率は21倍を示している。その伸び率は身体障害者の1.38倍、知的障害者の2.39倍を大きく上回る顕著なものである。
また、平成30年4月1日から精神障害者も法定雇用率の算定基礎対象へ加わることとなる。
以上2点から、今後、民間企業における精神障害者の雇用は増加が見込まれる


ちなみに平成28年度公的機関(法定雇用率2.3%、都道府県などの教育委員会は2.2%)における障害者雇用の状況は、

・国
雇用障害者数7,436人(前年は7,371人) / 実雇用率2.45%(前年も2.45%)

・都道府県
雇用障害者数8,474人(前年は8,344人) / 実雇用率2.61%(前年は2.58%)

・市町村
雇用障害者数26,139人(前年は25,913人) / 実雇用率2.43%(前年は2.41%)

・教育委員会
雇用障害者数14,448人(前年は14,216人) / 実雇用率2.18%(前年は2.15%)

・独立行政法人
雇用障害者数9,927人(前年は9,527人) / 実雇用率2.36%(前年は2.32%)

となっており、公的機関も民間企業同様、雇用障害者数・実雇用率共にほぼ前年を上回っている

企業規模別実雇用率

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・1,000人以上の企業
前年:2.09% → 今年:2.12%

・500~1,000人未満の企業
前年:1.89% → 今年:1.93%

・300~500人未満の企業
前年:1.79% → 今年:1.82%

・100~300人未満の企業
前年:1.68% → 今年:1.74%

・50~100人未満の企業
前年:1.49% → 今年:1.55%

 

<企業規模別実雇用率のまとめ>
企業規模別の実雇用率は、すべての企業規模において前年より増加している。
企業規模別の実雇用率の高さは企業規模に比例している。
1,000人以上の企業を除いては、実雇用率が法定雇用率2%を上回っていない


ちなみに企業規模別雇用障害者数は、

・1,000人以上の企業
前年:227,147人 → 今年:236,943人(構成比50%)

・500~1,000人未満の企業
前年:54,780人 → 今年:57,069人(構成比12%)

・300~500人未満の企業
前年:41,550人 → 今年:43,378人(構成比9%)

・100~300人未満の企業
前年:88,406人 → 今年:93,480人(構成比20%)

・50~100人未満の企業
前年:41,249人 → 今年:43,503人(構成比9%)

 

<企業規模別雇用障害者数のまとめ>
すべての企業規模において雇用障害者数は前年と比べ増加している。
雇用障害者数の50%を1,000人以上の企業が占めている。次いで100~300人未満の企業が20%。500~1,000人未満の企業の12%、300~500人未満の企業・50~100人未満の企業の9%と続く。

 

 

企業規模別達成企業割合

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全体では法定雇用率達成企業の割合は48.8%と前年47.2%より増加している。
企業規模別の法定雇用率達成の割合は、

・1,000人以上の企業
前年:55.0% → 今年:58.9%

・500~1,000人未満の企業
前年:44.6% → 今年:48.1%

・300~500人未満の企業
前年:44.0% → 今年:44.8%

・100~300人未満の企業
前年:50.2% → 今年:52.2%

・50~100人未満の企業
前年:44.7% → 今年:45.7%

 

<企業規模別達成企業の割合のまとめ>
全体の法定雇用率達成企業の割合は48.8%前年より増加している。
法定雇用率達成企業の割合は、すべての企業規模において前年より増加している。

 

産業別実雇用率

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■実雇用率が法定雇用率2%を上回っている産業

「医療・福祉(2.43%)」 → 「農、林、漁業(2.14%)」 → 「生活関連サービス業、娯楽業(2.11%)」 → 「電気・ガス・熱供給・水道業(2.05%)」 → 「運輸業、郵便業(2.00%)」 → 「法定雇用率(2.00%)」

■実雇用率が法定雇用率2%を下回っている産業
「製造業(1.98%)」 → 「金融業、保険業(1.94%)」 → 「全体(1.92%)」 → 「サービス業(1.91%)」 → 「宿泊業、飲食サービス業(1.83%)」 → 「複合サービス事業(1.82%)」 → 「卸売業、小売業(1.74%)」 → 「建設業(1.72%)」 → 「学術研究、専門・技術サービス業(1.70%)」 → 「情報通信業(1.63%)」 → 「不動産業、物品賃貸業(1.61%)」 → 「教育・学習支援業(1.56%)」

 

<産業別実雇用率・雇用障害者数のまとめ>
産業別の実雇用率は「学術研究、専門・技術サービス業」以外、すべての産業で前年よりも増加している。
産業別の雇用障害者数は「鉱業、採石業、砂利採取業」「学術研究、専門・技術サービス業」以外、すべての産業で前年よりも増加している。

 

産業別達成企業割合

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「医療・福祉(61.8%)」 → 「製造業(56.6%)」 → 「運輸業、郵便業(54.4%)」 → 「全体(48.8%)」 → 「建設業(48.1%)」 → 「サービス業(45.7%)」 → 「複合サービス事業(45.2%)」 → 「電気・ガス・熱供給・水道業(44.8%)」 → 「宿泊業、飲食サービス業(43.8%)」 → 「生活関連サービス業、娯楽業(42.5%)」 → 「金融業、保険業(41.1%)」 → 「教育・学習支援業(38.7%)」 → 「卸売業、小売業(37.7%)」 → 「学術研究、専門・技術サービス業(34.8%)」 → 「不動産業、物品賃貸業(34.7%)」 → 「情報通信業(26.8%)」

 

<産業別達成企業割合のまとめ>
産業別達成企業割合は、「複合サービス事業」「電気・ガス・熱供給・水道業」以外、すべての産業で前年よりも増加している。
法定雇用率未達成企業の状況は、①平成28年の法定雇用率未達成企業は45,790社。そのうち、1人不足企業(不足人数が0.5人~1人である企業)が66.4%と過半数を占める。②0人雇用企業(障害者を1人も雇用していない企業)が、未達成企業に占める割合は58.9%となっている。

 

精神障害者枠で働く―雇用のカギ・就労のコツ・支援のツボ

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ソーシャルワークによる精神障害者の就労支援―参加と協働の地域生活支援―

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本書を読まずに障害者を雇用してはいけません!

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うつ病闘病記まとめ(うつ病闘病記 第5回)

はじめに


うつ病闘病記第5回。
このたびは「うつ病闘病記まとめ」と題して、まず、これまで計4回わたり書いてきた私のうつ病闘病記を1つのエントリーにまとめた、次に、
私の闘病の良かった点・悪かった点を振り返りをしている。最後に編集後記を。

第1回:なぜ、私がうつ病になったのか?
第2回:うつ病になって私がまずしたこと、その効果は?
第3回:うつ病との闘い
第4回:うつ病から社会復帰へ向けて
第5回:うつ病闘病記まとめ←今、ココ

 

うつ病闘病記まとめ

 

第一回 なぜ、私がうつ病になったか?


うつ病になる前~うつ病を発病するまで
を書いている。

私がうつ病になった経緯を「生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)」というフレームワークを用いて説明している。

nikochin.hatenablog.com

 

第二回 うつ病になってまず私がしたこと、その効果は?


うつ病になって間もないとき
のことを書いている。

「生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)」に基づき、生物学的アプローチ(薬物療法)・心理学的アプローチ(心理療法)・社会学的アプローチ(環境調整)ごとに、「うつ病になって、私がまず何をしたか?」「その効果はどうだったか?」について書いている。

 

nikochin.hatenablog.com

 

第三回 うつ病との闘い


闘病中のことを書いた最も闘病記らしい回

うつ病により働くことができなくなり、二年間の療養生活を余儀なくされた経験を元に、「うつ病と闘うとは?」「どんな気持ちで闘病中すごしていたか?」「働かず療養に専念するとは?」について書いている。

nikochin.hatenablog.com

 

第四回 うつ病から社会復帰へ向けて

「もしかして治ったかも!?」から社会復帰を果たすまで、私がどのような取組みをしたかを書いている。

nikochin.hatenablog.com

 

私の闘病のどこが良くて、どこが悪かったか?

 

悪かった点

悪かった点は、お金の面
具体的には、休職し傷病手当を貰うという選択肢があったにも関わらず、退職してしまったことである。

傷病手当とは、病気休業中に本人や家族の生活を保障するもの。申請先は健康保険組合。業務外のケガや病気にも対応。給与日額平均の2/3が1年6ヵ月にわたり支給される。ちなみに業務上のケガや病気に関しては、労災保険の「休業補償」が適用される。

そうしてしまった理由は2つ。
1つは、いつも通り力を発揮できないなら去るべしというポリシーが私にはあり、それを損得よりも優先させてしまったため。
2つ目は、一刻も早く会社との関係を断ちたいと思うギリギリのところまで我慢を重ねてしまったためである。

1つ目に関しては、ポリシーを貫くことは本人の自由であるものの、自分の財布や家族・パートナーと相談してから決めるべきだった
2つ目に関しては、おかしいと思った時点で1週間程度有給休暇を取り、専門家に相談すべきだった
専門家としては医師・臨床心理士が考えられるが、この分野においては社会保険労務士・精神保健福祉士の方がくわしいだろう。
精神保健福祉士に関しては、自治体で無料で相談できるところもあるようだ。


また最近では、就労不能保険を販売している保険会社も増えてきている。うつ病は今や10人に1人、15人に1人かかる病気と言われ他人事では済まされない身近な病である。また私同様、治療に年単位要することもめずらしくない。このようなリスクに備え保険に加入することも検討してみてはいかがだろうか?

style.nikkei.com

 

良かった点

良かった点はいくつかあるが、一つだけ上げろと言われたら家族・パートナーの理解を得られたことを選ぶ。

 

おそらくこれは、女性に限った話ではないだろう。
うつ病をはじめとした精神障害の治療において、それだけ身近な人の理解というのは大切なのだ。

発病から社会復帰を果たすまでの3年半、生活を共にする彼女、そして母、この二人の理解という土壌あったからこそ、私は余計なストレスを抱えることなく治療に励むことができた。

Twitterの病みアカ界隈では、身近な人の理解を得られず、苦悩している人を多く見かける。
どうしても身近な人に理解を得られない場合、私がやったように簡単な本を一冊手渡し読んでもらう、間に専門家(医師・臨床心理士・精神保健福祉士)に入ってもらう、口頭でダメなら手紙で伝えてみる、などの工夫が必要かもしれない。


編集後記

いち当事者として、うつ病を乗り越えた経験を闘病記という形で綴りました。
「(医師などの専門家でなく)いち当事者目線」「主観を織り交ぜつつもリアルで簡潔に」を強く意識しました。

あらかじめ構成を考え書き始めたのですが、4年前のことゆえ、思い出すのに時間がかかったり、これも書きたい・書かなきゃが後から出てきたり、新たに構成を練り直さなければならないことが多く大分苦労しました。

この闘病記がうつ病当事者・それをサポートする人、一人でも多くの方の参考になれば喜びこの上ありません。

最後までお読みいただきありがとうございました。

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

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新版 うつ病をなおす (講談社現代新書)

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うつ病から社会復帰へ向けて(うつ病闘病記 第4回)

はじめに


うつ病闘病記第4回。
このたびは「うつ病から社会復帰へ向けて」と題して、「もしかして治ったかも!?
」から社会復帰を果たすまで、私がどのような取組みを行なったかを書いた。

第1回:なぜ、私はうつ病になったのか?
第2回:うつ病になって私がまずしたこと、その効果は?
第3回:うつ病との闘い
第4回:うつ病から社会復帰へ向けて←今、ココ
第5回:うつ病闘病記まとめ



もしかして治ったかも?!


うつ病には敵わない。そう開き直り休養していると「もしかして治ったかも?!」と思われる兆候が突然訪れた。
これまでまったく読めなかった本が読めるようになったのだ。

実はこの辺りの記憶は定かでなく、この他に病状にどのような良化の兆候があったかおぼえていない。そのため、この部分に関しては割愛させていただく。

 

反撃開始

うつ病に対し劣勢に立たされていた私は、このタイミングで一気に反撃へと転じる。
順を追って書いて行く。

 

今、できることをする

とはいえ、あくまでまだ「(治った)かも?」の段階である。
だから、「無理をしない」「今、できることを」「少しずつ」、この3つを心掛けた。
小さな山を越えたら、次はもう少し高い山を、それを越えることができたら、さらにもう少し高い山をというスタンスだ。

まずは衣食住のうちの、衣住を整えた。

住は、部屋の大掃除をした。
これまで定期的に彼女が部屋の掃除をしてくれていたものの、大掃除は私がうつ病になってから一度もしていなかった。それもあって、3日がかりで細かいところまで徹底的に掃除した。掃除すること自体気分がいいものだし、キレイに片付いた部屋を見ても気分が良かった。

衣は、身だしなみを整えた
シャワーを浴びた。美容室で髪を切った。出ていた鼻毛を切った。眉毛を整えた。顔のムダ毛を剃った。顔に化粧水と乳液を塗った。その整った状態をキープするようにした。

うつ病でない人からすれば少し頑張ればできること。たったこれだけのことかもしれない。しかしこれまで私は、たったこれだけのことすらできなかったのである。それができたことは、私にとって大きな自信となった。また、部屋が片付いてキレイで身だしなみが整っていることはとても気分が良かった。そんな小さなキッカケから、私は少しづつ社会復帰へ向け活動できるようになった。

スポーツジムへ通い始める

次に、スポーツジムへ通い始めた。

二年の療養生活で私の体重は14kgも増え、過去最高体重を記録していた。
私は太っても顔に出ないが、お腹だけがポコッと膨れ、餓鬼のようになってしまう。
その姿は醜く、自己肯定感を低下させるには十分だった。
だから、どうしてもダイエットを成功させたかったのである。

スポーツジムへは約8ヵ月通った。ペースは週3~4回。有酸素運動と筋トレをバランスよくこなした。結果、14kgのダイエットに成功し、私は体に自信を取り戻した。

スポーツジムへ通い運動することで、思わぬ副産物もあった。
脳の調子がめちゃくちゃいいのだ。頭はキレる気分が良く、元気で明るく過せた。抑うつに陥ることもなかった
運動には脳内伝達物質(エンドルフィン・ノルアドレナリン・ドーパミン・セロトニンなど)を整える効果がある。その効果によるものだろう。
詳細は下記の本を参照してほしい。値段はやや高く、ページ数も多いが、運動とストレス・不安・うつ・依存などとの関係についてくわしく書れている良書だ。
うつ病のリハビリに、私は運動を強く推す

 

脳を鍛えるには運動しかない!  最新科学でわかった脳細胞の増やし方

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職業訓練制度へ通い始める

ジム通いと並行し、私はさらに国の提供する職業訓練へ通い始めた。

期間は6ヵ月。時間は9時~14時半過ぎまで。平日は、ほぼ毎日講義があった。
生活リズムが整い、リハビリには丁度いい。また訓練を受けながら月10万円が支給を受けられる制度があり、それも大きな動機となった。
まともに通えなかったら、また元の療養生活へ戻ればいい。もし休まず通えるようなら社会復帰は目前だ。皆勤賞という目標を掲げ職業訓練へ臨んだ。

職業訓練で学んだのは心理学。心理学はもともと興味があったし、私自身これまでいくつかの精神疾患を患った経緯があり、ここで一度しっかりと学んでみたいとの思いからこの訓練を選んだ。クラスは30名。20代から50代まで幅広い年齢層の方がおり、やや女性が多かった。講義は臨床心理士の資格を持つ先生が担当するなかなか本格的なものだった。グループディスカッションが多かったことから、クラスの仲間とも仲良くなれた。こうやって毎日決まった場所へ通い学ぶのは高校生以来。新鮮で楽しい6ヵ月だった。
結果、私は見事皆勤賞を達成し、職業訓練を卒業した。社会復帰へ向け大きな自信となった。

卒業後、フルタイムでの仕事復帰を希望するのであれば職業訓練制度はオススメである。9:00~17:00の仕事での復帰を希望しているなら、9:00~15:00前後で行なわれている訓練を選択するのが望ましいのではないだろうか。訓練を受けながら給付金が受けられる制度は、私が職業訓練を受講していたときよりも要件が厳しくなっているようだが、まだあるようである。詳しくはハローワークへ問い合わせてみてほしい。

 

祝!寛解

職業訓練とスポーツジムへ通っていたとき、私のうつ病は寛解を迎えた。
うつ病が良化してきていたタイミングで、職業訓練へ通ったことで生活リズムが整い、スポーツジムへ通い運動したことで脳内伝達物質が整ったためだろう。
寛解したときは、まるでサナギが脱皮して蝶になったような自分が生まれ変わったようだった。これは決して大袈裟ではない。本当にそう感じたのだ。


いざ社会復帰

 

三年振りに働いてみて

職業訓練を卒業した私は、職業訓練を提供していた企業からアルバイトとして働かないか?と打診を受けたので、ありがたく働かせてもらうことにした。
三年もの長いブランクを経ての仕事復帰。まずは自分の能力やスキルが衰えているか否かを知りたかった。その目的を果たすには、まずはアルバイトくらいがちょうどよかった。
働いてみると能力もスキルも衰えておらず、これまで通り働けることがわかりホッとした。
ちなみにこの会社はブラック企業だったため、3ヵ月で早々に退職させていただいた。

無事社会復帰を果たす

アルバイトを辞めて数ヵ月後、製造業へ就職が決まり社会復帰を果たした

社会復帰にあたり、オープンにするかクローズにするかという選択に迫られる。
オープンとは自分がうつ病であった旨を面接で会社へ事前に伝えること。クローズは、その逆である。
私はクローズ一択だった。理由は、いくつかの可能性の高さにある。1つは就職の間口が狭まる可能性、2つ目はうつ病歴があるということで、これまでと同様の仕事をさせてもらえない可能性、3つ目は一度オープンにしてしまうと業界内で情報がシェアされ、二度とクローズにはできない可能性である。

働くにあたり、私はまず再発しないことだけに注意を払った
なんとなく気分が沈んでいる日は会社を休んだこともあった。仕事中もいい意味で手を抜いた。
再発すれば、また数年もの時間を失うかもしれない。そのリスクを考えたら、他人や会社に何を言われようが、そうすることが合理的だと私は思う。
会社はあなたを守ってくれない自分を守るのは自分自身。これだけは絶対に忘れないでほしい。


そして、今


寛解を迎えてから4年、社会復帰を果たした会社を退職し、私は今、中小企業診断士資格を取得し、個人事業主として働いている。
経験と取得した資格を活かし独立したのだ。

幸いこれまで再発していない

一度うつ病になると、その後無理が利かなくなるという話を聞く。
これに関して私は、そうだともそうでないとも言えない。
私に限った話では、資格取得の勉強のとき、会社を辞め独立したとき、無理をせざる得ない場面があった。だから無理もした。というか、無理できた。
ただ再発を避けたい、その思いから自分でも気付かないうちにブレーキをかけてしまうことは今でもよくある。それを無理が利かなくなるというのなら、そうなのかもしれない。

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

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新版 うつ病をなおす (講談社現代新書)

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うつ病との闘い(うつ病闘病記 第3回)

はじめに


うつ病闘病記第3回。
このたびは「うつ病と闘う」と題し、うつ病により働くことができなくなり、療養生活を余儀なくされた二年間のことを書いた。最も闘病記らしい回かもしれない。

うつ病と闘うとは?」「どんな気持ちで闘病中すごしていたか?」「働かず療養に専念するとは?

第1回:なぜ、私はうつ病になったのか?
第2回:うつ病になって私がまずしたこと、その効果は?
第3回:うつ病との闘い←今、ココ
第4回:うつ病から社会復帰へ向けて
第5回:うつ病闘病記まとめ


 

うつ病と闘うとは?

 

うつ病になり、私は以下の個別の病状が現れた。

1.抑うつ
抑うつとは憂うつ・気分が重い・気分が沈む・元気がない状態である。
理由があるわけではないのに、テンションが低く落ち込んでいる状態がとめどなく続く。

2.身体症状
体がだるい・重い、疲れやすいなど。

3.意欲の低下
進んで何かをしようと思えなくなる。

4.集中力の低下
1つの物ごとに集中して取り組めなくなる。

5.何をやってもつまらない
これまで楽しかったはずのことが、楽しくなくなる。
何をやってもつまらなくなる。

6.睡眠障害
眠れなくなる「不眠」、いつもよりも眠り過ぎてしまう「過眠」、朝早く目が覚めてしまう「早朝覚醒」、睡眠の途中に目を覚ましてしまう「中途覚醒」がある。

7.死にたくなる
理由があるわけではないのに、死にたくなる。
俗に言う「希死念慮」というもの。


個別の病状が相まって、以下2つの病状も引き起こした。

8.何もかもが億劫になる
これまで当たり前にできていたことが嘘のようにできなくなる。
抑うつ・身体症状・意欲の低下によるものである。
朝起きて歯を磨くこと、顔を洗うこと、夜、シャワーを浴びることができなくなる。
これらができなくなると不潔だから外出したくないし、人にも会いたくなくなる。だから一日中部屋にひきこもるという悪循環に陥る。当時、私もおおよそ3日に1回、ひどいときになると一週間に1回しかシャワーを浴びることができなかった。
食事を取ることまでもが億劫になる。
朝昼食べないことが増える。とはいえお腹は空く。だから夜ドカ食いする。昼夜逆転しているときは夜食も食べる。こんな食べ方で太らないわけがない。私は療養中に体重が10㎏以上増え、過去最高体重を記録した。

9.昼夜逆転
私の睡眠障害は、眠れない「不眠」と眠り過ぎてしまう「過眠」を同時に抱えるものだった。
睡眠薬を飲もうが、とにかく眠れない。眠れないから寝る時間が遅くなる。すると、起きる時間が遅くなる。過眠により日中寝てしまう。すると、ますます夜眠れなくなる。この悪循環により、私は昼夜が逆転してしまった。


抑うつで気分は良くない。体はだるいし、重い。気分転換しようにも、意欲が沸かない。仮に何かできても、集中力がなく続かない。そもそも何をやってもつまらない。気分転換どころか必要最低限のことすらできず、まともな日常生活が送れない。そして理由もなく死にたくなる。こんな現実から目を背けたくて、眠ってしまいたいのに眠ることもできない。挙句の果ては昼夜逆転である。
完全に詰んでいる。こんな毎日が二年続いた。

療養期間二年のうち初めの一年半は苦しみから早く逃れるべく、一刻も早く治すべく、うつ病とガチで闘った。ゴリ押しし、もがけるだけもがいた。
十分に休養を取ること・薬物療法はもちろん、他、うつ病に良い言われることは、ほとんど試した。朝日を浴びる、散歩する、運動、食事などなど(知人から新興宗教の勧誘を受けたが、さすがにそれは断った)。
しかし、何を何度やっても、いくら工夫しても、まったく良くならなかった。途方に暮れるしかなかった。ダメなときは何をやってもダメ、うつ病とはそういう病気なのだ。

療養期間二年のうち残りの半年は、うつ病に負けを認め開き直った
打ち手はすべて打った。それでも良くならないなら、もう開き直るしかない。押してダメなら引いてみろだ。もうどうにでもなれまな板の鯉だ。
開き直ってからは、ベットの上でひたすら映画やドラマを観ていた。
ネットで評価の高い様々なジャンルの映画を片っ端から借りては観た。朝ドラ「ゲゲゲの女房」は第一話から最終話まで一気に観た。アニメ「君に届け」にドハマりした。
後々考えてみると、この開き直りが私の療養生活の転機となった。
これまでは、コントロールできないうつ病という病を、力づくでコントロールしようとしてきた。しかし開き直ってからは、コントロールできないものをコントロールしようとしなかった。これが良かったのだと思う。開き直ることができたおかげで、本当の意味で休むことができるようになったのだ。

では、初めから開き直れるか?正直それは難しいのではないかと思う。

理由は、うつ病になった誰もが早く苦しみから逃れたい、治したいと思うからである。だから、そのための努力をする。しかし私のように、その努力が裏目に出ることもある。思いが強すぎるがゆえ頑張り過ぎてしまい、心身共に休めていないのである。だから私は、「開き直りはガチで闘った上の産物」だと私は思っている。

 

どんな気持ちで闘病中をすごしたか?


働かず療養していると、時間だけは売るほどある。それが良くない。
時間がある分、余計に悩み考えてしまうのだ。「なぜ、人は悩むのか?それは悩む時間があるからだ」という言葉は的を得ているように思う。
よく悩み考えるのは以下、大きく分けて4つのことについてである。

1つは、病気について。
先に書いたとおり、病状により気分は良くない。加えて、毎日、夜寝て朝起きる、歯を磨く・顔を洗う・シャワーを浴びるという当たり前の生活ができない。その上、昼夜逆転である。
こんな生活でいいはずがない。そんなことは誰よりも自分が一番良くわかっている。
病気ゆえ仕方ないといえど、こんな不甲斐ない生活を送っている自分を責めてしまう

2つ目は、人と比較してしまうことについて。

「みんなは会社へ行き働いている。なのに私は…」「私がこうしている間に、みんなはどんどん先へ進んでいる」「社会とのつながりがない」

人と比較することで生じる惨めさ後ろめたさ自己否定焦り不安。社会とのつながりが断たれたことで疎外感が生じる。

3つ目は、過去現在未来について。

「うつ病になる前に戻れたら…」
「うつ病にさえならなければ…」「望んでなったわけじゃないのに、どうしてこんなにつらい思いをしなければならないのか?」「どうして私なの?」
「いつ治るのか?」「もしかしたら、一生治らないんじゃないか?」

過去への執着現実を受け入れられない未来への不安
うつ病になった現実は、すぐに受け入れられるものではない。このような悩み考えても仕方のないことに悩み考え抜いた末、ようやく現実として受け入れられ、初めて前を向けるのである。また、過去への執着は、過去が輝かしい人であるほど大きいのかもしれない。

4つ目は、お金について。
私は貯金が尽きた後、親からの最低限の仕送りだけで生活していた。
お金がないということはひもじく不安になるものである。

うつ病者に自殺者が多いのは、希死念慮(死んでしまいた)によることはもちろん、それに加え、このように様々な悩みが重なることで自己肯定感が低下しているからなのだろう。

 

働かず療養に専念するとは?

 

働かず療養に専念することは時間との戦いでもある。
暇なのだ、それもすごく
十分な休養を取ると言えば聞こえはいいが、病気という点だけ除けば、生活の実態は半ばひきこもりのようなものだ。


これまでは1日8時間働いていた。通勤・退勤、出勤するための準備時間を含めると約11時間は働くということのために使っていただろう。それらすべてをする必要がなくなったのだから、当然といえば当然だ。

そもそも人は、暇が苦手な生き物だ。
古い中国のことわざにこんな言葉がある。「小人閑居して不善をなす」。ザックリした意味は、「大したことない人間が、時間を持て余したところでロクなことをしない」である。
また、精神科医齊藤環先生も著書「世界一やさしい精神科の本」で、「99.9%の人々はひきこもりに向いていない。(中略)健康にひきこもるには、すごく特殊な才能と、ものすごく強い意思が必要である」と述べている。

小人たる私が、この有り余った時間をどう使うか?
お金は限られている。お金を多く使う時間の使い方であってはならない。
さらに言えば、「潰す」よりも「積み重ねる」時間の使い方が望ましい。
私は様々な時間の使い方を模索した。

しかし、病状により何もする気になれない、何かしても続けられない。そして何をしてもつまらない。
読書、漫画を読む、ドラマ・映画を観るなど様々なことに試してみたが、どれも上手く行かず、ゴロンと横になり天井を見つめる日々が続いた。

このような経緯があり、私はパチスロ依存症を再発させてしまう。
私は過去、最高で600万円、トータルで1,000万円近くをパチスロに溶かした重度のパチスロ依存症者だ。これまでやらないことに成功していたが、この暇で退屈な時間が再発の引き金となった。

依存症界隈でよく使われる言葉に「HALTに気をつけろ」というものがある。
HALTとは、Hungry(空腹)Angry(怒り)Lonely(孤独)Tired(疲労)の頭文字を取ったもので、こういう状況ではスリップ(再び依存行為をしてしまうこと)しやすいから気をつけろよと警笛を鳴らす意味で「HALTには気をつけろ」、そう言われている。
私は、このHALTにもう一つ付け加えたい。それは、Tedium(退屈)である。
さきほどの小人閑居して不善をなすという言葉が示す通り、人は暇になるとロクなことをしない。

依存症になると、人の脳は変わってしまう。一度変わった脳はもう元に戻らないのだという。わかりやすい例えで「たくあんになった脳みそは、二度と大根には戻らない」と言われている。私の脳はパチスロで大きな「快」を得られるのに対し、他のことではなかなか「快」を得られにくくなっているのだ。

パチスロだけは意欲が沸き、集中し楽しむことができた
依存症が再発したこと、お金を著しく消費する時間の使い方であることが良くないことは十分承知していながらも、病状が軽い日はパチンコ屋へ通う日が続いた。

誤解を生まぬために、一つだけ伝えておきたいことがある。
それは、うつ病で療養しているからといって1日中寝ているわけではないということである。
病状には重い軽いの波がある病状が軽く外出できる日もある一方、病状がひどく、寝ていることしかできない日もある
むしろ寝てばかりいることが、健康に良くないことくらいは誰の目から見ても明らかであろう。体は鈍り、気分が塞ぎ込む。社会とつながりも断絶される。
うつ病で働かず療養しているにも関わらず外出などけしからん!楽しむなんてもってのほか!という批判は控えていただきたい。
自身のパチスロを正当化するわけではないが、病状が軽いときは普段と同じように外出し、外の空気に触れるまた、人に会い会話する病状が重いときは大人しく休む。これが療養の正しいあり方だと私は思っている。
 

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

 

 

世界一やさしい精神科の本 (河出文庫)

世界一やさしい精神科の本 (河出文庫)

 

 

うつ病になって私がまずしたこと、その効果は?(うつ病闘病記 第2回)

はじめに


うつ病闘病記第2回。
このたびは、「うつ病になって私がまずしたこと、その効果は?」と題して、「生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)」に基づき、生物学的アプローチ(薬物療法)・心理学的アプローチ(心理療法)・社会学的アプローチ(環境調整)ごとに、「うつ病になって、私がまず何をしたか?」「その効果はどうだったか?」について書いている。

第1回:なぜ、私はうつ病になったのか?
第2回:うつ病になって私がまずしたこと、その効果は?←今、ココ

第3回:うつ病との闘い
第4回:うつ病から社会復帰へ向けて
第5回:うつ病闘病記まとめ

 

 

生物学的アプローチ(薬物療法)


心療内科に通院し、薬物療法を行なった

 

病院あれこれ

最初、近所の精神科へ通院した。しかし主治医との相性が悪く、数回通院しバックレた。

次は、少し離れた心療内科へ通院した。現在もここへ通院している。
ここは大きな病院が運営しているクリニック。その病院から比較的若い医師が派遣されている模様。その関係で担当医が1年で変わる。医師の質はいい意味で安定している。通院頻度は2週間に1回、現在は1カ月に1回。
診察時間は10~15分。完全予約制のため、待ち時間は長くても20分程度
余談だが、1年目の担当医は美人女医で通院の大きな励みとなった。

 

薬あれこれ

処方薬は以下の4種類。

1.ドグマチール(胃腸薬・抗うつ薬/50mg/1日1錠)
2.メイラックス(抗不安薬/2mg/1日1錠)
3.トレドミン(SNRIタイプの抗うつ剤/25mg/1日2錠)
4.マイスリー(睡眠薬/5mg/寝る前1~2錠)


心療内科へ通院してから、今もこの処方は変わっていない。
今は減薬中につきトレドミンは1日1錠、マイスリーは処方してもらうときともらわないときがある。
いたずらに薬の種類や量を増やす医師が多いと聞くが、そうでなかったことは幸運だった。

 

薬はうつ病に効くか?

あくまで私の経験の中だけで結論を出せばこうだ。


薬は効くこともあるが、効かないことの方が多い

うつ病になり初めて薬を飲んだときは、たしかに大分楽にはなった。

しかし、トータルで考えると効かないことの方が多かった。
効いていたからこそ、この程度の苦しみで済んだとも言えるのかもしれないが、睡眠剤を飲めど眠れないときは眠れないし、抗うつ剤を飲んだからといって下がった気分が必ず上がるものでもない。

そもそも私は、主治医に「もっと効く薬はないですか?」「もっと効く薬に変えてください」と質問やお願いをする患者ではなかった。主治医に処方について質問やお願いをすることが望ましいか否かという話は置いておいて、このような取組みをしていれば効く薬に巡り合え、病状を和らげることができたのかもしれない。
なぜ私がこのような取組みをしなかったかというと、いい意味で言えば専門家として主治医を信頼しており、自分がすべきは病状を的確に伝えることを割り切っていたためであり、悪い意味で言えば薬物療法に対し受け身だったということだろう。

より病状を和らげるため主治医に質問やお願いをしている方も病みアカ界隈にはいらっしゃる。そういう方を何人も見てきたが、そういう方であっても薬を変えたらドンピシャで病状が劇的に改善したという人は少なく感じる。

薬はあくまで対処療法に過ぎない。病状を和らげるためのものであって、治すためのものではない。これが私の薬物療法に対する持論である。薬さえ飲めばうつ病になる前の自分に戻れるという都合の良い話はそうそうない。

 

私が薬物療法についてアドバイスできることは、

1.通院日に必ず通院すること
2.処方薬は飲み合わせに気をつけ、タイミング・量・方法を守って飲むこと
3.勝手に断薬をしてはならないこと

の3つである。

 

 

心理学的アプローチ(心理療法)


臨床心理士によるカウンセリングを受けた


うつ病発病から2ヵ月が経った頃、都内にあるカウンセリングルームにて、臨床心理士による対面カウンセリングを受けた。
このカウンセリングルームを選んだ理由は、アダルトチルドレン(AC)に対するカウンセリングを行なっていたからである。うつ病の根っこには、アダルトチルドレン(AC)特有の認知の歪みがあると踏んでいた私は、それを治すべくこのカウンセリングルームへ通うことにした。
時間は1回60分料金は13,000円週1回のペース期間は3ヵ月
担当の臨床心理士は、私より年上のきれいな女性。とてもいいカウンセラーだった。

 

うつ病にカウンセリングは効くか?

あくまで私の経験の中だけで結論を出せばこうだ。


カウンセリングにうつ病を抑制する効果はない
しかし、生きづらさを和らげる認知や考え方を身に付けるキッカケとなる

カウンセリングにうつ病を抑制する効果があるか?私はないという立場だ。
実際私はうつ病発病から間もない時期ににカウンセリングを受けたが、病状がひどくなったのはその後だ。うつ病発病後では、カウンセリングはあまり効果がないと臨床心理士の先生もおっしゃっていた。

だからといって、私はカウンセリングを否定しているわけではない
そもそも、人様にネガティブな心の内を60分ぶっ通しで聞いてもらったことがある人は、そういないのではないだろうか?それができるカウンセリングは一時気分が楽になる
それに、人に話すことによって頭の中が整理されることもあるし、これまで自分では気付かなかった認知のクセに気付くこともある。またカウンセラーの言葉に、こういう考え方もあるのか?!とハッとさせられることも少なくない
カウンセリングとは、カウンセラーを写し鏡とし自分と向き合うものである。その過程で自分の認知の歪みに気付き、生きづらさを和らげる新たな考え方を獲得して行くのだ。
私自身カウンセリングを通し、それができたと思っている。だからカウンセリングを受けて良かったか?と問われれば、私は受けて良かったと答える。

とはいえ、カウンセリングは高額である。
私が通っていたカウンセリングルームは特に高額だったが、60分で平均7,000~13,000円が相場ではないだろうか(最近では、保険が適用されるカウンセリングもあるようである)。私はが月13,000円×4回×3ヵ月=156,000円を投じることができたのは、働いていたからこそ。
主治医と相談し、費用対効果を考えた上で受けることをオススメする。

 

私がカウンセリングについてアドバイスできることは、

1.エセカウンセラーを回避すること
(私は臨床心理士しかカウンセラーとして認めていない)
2.自分にあったカウンセラーを見つけること
(相性、カウンセラーの専門分野・得意分野)
3.主体的に取り組むこと

の3つである。

 

 

 

社会学的アプローチ(環境調整)


以下の環境調整を行なった


1.生活環境・職場環境
・うつ病で働けなくなったため、会社を退職した
・彼女と同棲中につき、自宅マンションで療養した

2.人間関係(家族関係)
・ごく一部の人にしか私がうつ病になったことを話さなかった
・どうしても以外、人と会う約束をしないようにした
・うつ病の理解を得るため、母にうつ病の本を1冊読んでくれるようお願いした
SNSは一切しなかった

3.経済状況(お金)

貯金はそこそこあった
・失業保険(90日分)


これはやって良かったと思った環境調整は、母にうつ病の本を1冊読んでくれるようお願いしたことだった。
母は私の願いを聞き入れ、うつ病の本を1冊読んでくれた。そのおかげか母はうつ病に理解を示し温かく見守ってくれた
離れて暮らしているとはいえ、身内に病気のことを理解してもらうことはとても大切である。

働かず療養に専念する上でもう1つ大切なことがある。最も大切なことと言っても過言ではない。お金の問題である。
先に書いた通り、私にはそこそこ貯金があった。だから足りるだろう、そう思っていた。しかし、そこは完全に私の見積りが甘かった。結果的に貯金は尽き、最低限の生活費を親に頼ることとなった。
翌年ガッツリ持って行かれる住民税、国民健康保険料、国民年金、何もしなくてもお金はなくなって行く。もちろん毎月の家賃、生活費(水道光熱費・食費等)、医療費、交通費はかかる。私は喫煙者なのでタバコ代も馬鹿にならない。想定外だったのは、ギャンブル依存症が回帰したことである。
働かず療養に専念する場合、かかる経費算出し、今の貯金でどれくらいの期間療養できるのか?貯金が尽きたらどうするか?はあらかじめ考えておく必要がある。

 

私が環境調整についてアドバイスできることは、

1.家族やパートナーに病気の理解を得ること
2.お金の見通しを立てておくこと

の2つである。

 

うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

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新版 うつ病をなおす (講談社現代新書)

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なぜ、私はうつ病になったのか? (うつ病闘病記 第1回)

はじめに


私は4年前に、うつ病になった。
発病から寛解まで2年半、寛解から社会復帰まで1年、計3年半。

いち当事者として、その時の経験を闘病記として書きとめている。
この闘病記がうつ病当事者・それをサポートする人、一人でも多くの人に役立てば幸いである。


うつ病闘病記第1回。
このたびは「なぜ、私はうつ病になったのか?」と題して、うつ病になる前~うつ病を発病するまでを書いた。

私がうつ病になった経緯を「生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)」というフレームワークを用いて説明している。

 

第1回:なぜ、私はうつ病になったのか?←今、ココ
第2回:うつ病になって私がまずしたこと、その効果は?
第3回:うつ病との闘い
第4回:うつ病から社会復帰へ向けて
第5回:うつ病闘病記まとめ

 

私がうつ病になるまで

 

T社への転職
 A社(製造業)を辞め半年、T社(製造業)への転職が決まった。

T社では前職のスキル・経験をかわれ、 主任待遇でS部SK課へ配属された。
配属されたS部は、常務直轄のT社の生産機能の中枢。後に工場長のポストが確約されるエリート部署だ。もちろんボスは常務だ。

S部にはSK課とGK課がある。
SK課はF課長、私の2名。GK課はW課長、Hさん、M君の3名。
計6名の部署だ。

私はそこで生産計画の立案・統制、外注管理を主に任せられた。

前職のA社は、いい会社だった。
新工場の立ち上げに携わり、生産体制を整えた後、現場主任、生産管理、工場長を歴任した。
ほとんどを任され、結果さえ出せば口出しはされなかった。責任は重いが、その分権限があった。人間関係も良好だった。
残業は月100時間を下回ることのないハードワークだったが、私はむしろやりがいを感じていた。

しかし転職先のT社は、そんなA社とは正反対の会社だった。
 
 
転職して1週間の出来事
 
入社初日、オフィスに赴く前、総務課長にこう言われた。
「たかむら君、常務のYESマンとなることがS部で生き残る術だよ」

常務とは一度面接でお会いしていた。
そのとき私が常務に抱いた第一印象は、気難しく独善的で、パワハラ傾向。もしこの人が直属の上司だとしたらさぞ仕事はやりづらかろう。
総務部長がそう教えてくれるということは、常務は難しい人なのだろう。
総務課長のこの言葉を聞き、私は憂鬱になった。

初めて工場へ足を踏み入れたときのことは今でも忘れない。
「この会社はヤバい」、そう直感が働いた。
生気なくピリピリとした工場の空気、それはT社の社風を物語っていた。

同じ日に入社した、たった一人の同期はそれを察してか一週間で辞めてしまった。
 
 
パワハラ上司

 

私の直属の上司はF課長。
F課長は無愛想で神経質な人だった。工場長も兼務しており、いつも忙しく、いつも怒っていた。機嫌の悪いときは従業員を怒鳴り散らし、デスクに物を投げつける。 俗に言うパワハラ上司だ。

それは私に対しても例外ではなかった。
まず、「これをやれ」とだけ言われ仕事を振られる。F課長は仕事のやり方など教えてくれないのだ。
私はとりあえず、その仕事に取り掛かる。即戦力として採用されたとはいえ、 初めてやる仕事だ。わからなところも当然出てくる。
だから考える。考えてできるところもあるが、考えてできないところも当然ある。
考えてできないところは聞きに行く。しかし聞きに行くにもF課長は忙しい。F課長の様子をうかがわなくてはならない。
ようやくF課長の手が空いた。聞きに行くと「時間がない」、その一言でロクに教えてくれない。
だから与えられた最小限のヒントを元に、もう一度考える。しかし、わからないものはわからない。
だからF課長の様子をうかがい、再び聞きに行く。すると今度は怒られる。ときには怒鳴られる。

こんなことを幾度も繰り返し、私は新しい仕事受けるのが嫌になった。
これでは到底成果が上がるはずもなかった。

 
部のおかしな慣習
 
S部にはおかしな慣習があった。

「(今日は)お終いにするか」、ボスである常務からこの一言が出ない限りS部員は帰れない。

その後ロッカーで着替え、最寄りのコンビニへ行く。そこで常務が一人一本350mlのお酒をおごってくれる。それを飲みながら駅まで全員で歩くのだ。これは毎日の日課である。

それだけではない。
週に2、3日は常務の「飲んで帰るか」が発動。この一言でS部員全員が強制的に飲み会へと参加させられる。
常務が話し、部下5名はそれをひたすら相槌打ちながら聞く。ちなみに割り勘である。
 
 
うつ病発病?!
 
入社して半年、社風、パワハラ上司、部のおかしな慣習のトリプルアタックにやられ、満足に成果を上げることができていなかった私は、病んでいた。

その頃、とうとう心身に異常をきたす。
朝の吐き気と憂鬱、ミスの増加、それと睡眠障害(ナルコレプシー)。
うつ病の典型的な症状である。

とくに睡眠障害(ナルコレプシー)には悩まされた。
ナルコレプシーとは、 日中において場所や状況を選ばず起こる強い眠気の発作を主な症状とする脳疾患(睡眠障害)である。
次の駅で降りなければならない。一駅前までは起きているし、そうわかっているのである。ところが気付くと3駅乗り過ごしている。会議でいつの間にか寝てしまっていた。そんなことがしょっちゅうだった。

どう考えてもおかしい。もしやうつ病ではないか?
そう思ってインターネットのうつ病チェックをしてみると、うつ病の可能性が高いことがわかった。
うつ病の症状を調べても、当てはまるものばかりだった。

後日、精神科を受診し、その2ヵ月後、臨床心理士によるカウンセリングも受けた。
(精神科受診とカウンセリングについては、第2回でくわしく書く)
 
 
退職
 
精神科で処方された薬を飲み、カウンセリングで溜まったストレスを吐き出したことで大分楽にはなった。
しかし私は、T社を自主退職することに決めた。
自主退職については、カウンセリングを担当していた臨床心理士と複数回話し合った末、最終的には自分で決めた。

休職や傷病手当金をもらうなどの選択肢もあった中、自主退職を決めた理由は3つある。
1つは、ストレスの根源であるT社で働くということを取り除かない限りうつ病は治らないだろう、しかしT社が変わることは望めない。そう判断したため。
2つ目は、私に「いつも通り成果を出せないのであれば去るのみ」という変なこだわりが私にあったため。
3つ目は、病状が進んでいたことから一刻も早くT社を去りたかったため。

辞める直前、お世話になった部署へ挨拶へ回ると、皆、温かかった。
総務部長からは、S部はこれまで何人も中途採用したものの、常務・F課長のパワハラに耐えきれず、皆退職してしまったこと、S部に限らず、T社はメンタルに支障をきたし休職・退職する従業員が多いことを聞かされた。K部・B部の部長からは、「S部だもんね…(あの常務とF課長のいるS部では無理はない。あなたで挨拶に来るのは4人目だ)。」

心身に異常をきたしてから半年、入社してから1年で私はT社を退職した。
最後まで、不愛想なF課長の笑った顔を見ることはなかった。

余談だが、私はT社退職から数ヵ月経った頃、外資P社で再び働いた。
T社を退職してから睡眠障害(ナルコレプシー)の症状は出ず、もしかしたらまた働けるのではと思ったのだ。
しかし、働きだすと睡眠障害(ナルコレプシー)が再発。結局、たった3ヵ月で退職することとなる。

それを期に、私は働かず闘病することを決意する。
 
 

なぜ、私はうつ病になったか?

 

T社が合わなかった、T社の労働環境が良くなかった、そのことが原因でうつ病になった。そういう体で書いてきた。
しかし、それだけでなく原因は他にもあると考えている。
それを「生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)」というフレームワークを用いて明らかにして行く。

生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)」とは

生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)は、精神医学で用いられる考え方である。ロマンチェスター大学の精神科医であったG.エンゲルが提唱した。
生物―心理―社会モデルでは、人間は「生物的要因」「心理的要因」「社会的要因」からなり、それぞれは影響し合あっているとされている。
生物学的精神医学の診断・治療のみにこだわる視点ではなくて、人間のメンタルヘルス(心の健康)や認知行動パターン、不適応問題を以下の3つの領域から網羅的・統合的に理解していこうとする。
具体的には下表参照。

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ちなみに、主治医曰く、精神科医は以下3つを元に診断するのだという。

1.DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル(アメリカ精神医学会)やICD―10 精神および行動の障害―臨床記述と診断ガイドライン(WHO)


2.生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)

3.その精神科医の見立て

 

私うつ病発症を生物―心理―社会モデルに当てはめてみる

1.元々以下の要因があった

・メランコリー親和型[心理的要因)
・アダルトチルドレン(AC)ゆえの認知の歪み(心理的要因)
・これまでの闘病生活で精神的に消耗していた可能性(心理的要因)
・T社入社前から見られたうつの傾向(生物的要因)

2.それに以下の要因が加わった
・会社・上司と合わなかった(社会的要因)
・会社の労働環境か良くなかった(社会的要因)


3.その結果
・うつ病を発症した(生物的要因)

 


※なお、「生物―心理―社会モデル(bio-psycho-social model)」については、下2つのサイトから引用させていただきました。

生物―心理―社会モデル

 

“生物―心理―社会モデル”によるメンタルヘルスや認知傾向の多面的な理解:対人援助の相補的協働 カウンセリングルーム:Es Discovery/ウェブリブログ


うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

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新版 うつ病をなおす (講談社現代新書)

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コミュニケーション至上社会をコミュ障が生き抜くための研究

私、たかむらが当事者研究会に参加し、研究したテーマの記録
このたびは「コミュニケーション至上社会をコミュ障が生き抜くための研究」

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研究テーマ

企業が就活生へ求めるスキルの第1位は、ここ数年コミュニケーション能力が占めており、不動のものとなっている。
第一次産業第二次産業の時代では、さほど重要視とされていなかったコミュニケーション能力。資本主義の成熟と共に働き方が高度化した今、最も重要視されるスキルとなった。
そんな時代に働いているとコミュニケーション力を持つ者(以下 コミュ強)と持たざる者(以下 コミュ障)の間に、格差が広がっていることを身を持って感じる。
コミュ強は多くのものを手にし、コミュ障は何も得ることができない。
このようなコミュニケーション至上社会において、コミュ障がいかに適合し、生き抜いて行くかについて当事者研究を行なった。

 

言葉の定義

■場の定義
インフォーマル(非公式)でフラット、かつ、「対 多」のコミュニケーション
具体的には、会社での大人数の飲み会を想定
 
■ コミュ強とコミュ障
○コミュ強(Aランク)
→自ら笑いを作り出せる人
○コミュ強(Bランク)
→Aランクのコミュ強とテンポ良く話せる(音ゲーができる)、場の空気にノレる人
○コミュ障(Cランク)
→A・Bランクのコミュ強に無理をすれば合わせられる人
○コミュ障(Dランク))
→正真正銘のコミュ障
 
※ コミュ強(Aランク)を頂点としたヒエラルキーが形成されている
(上記画像参照)

場で求められるスキル

・可愛げ(A)
→人に好かれるその人が持つ天性のスキル
・笑いを作る(A)
→場に笑いを作り出せるスキル
音ゲー(B)
→テンポ良くボケ・ツッコミできるスキル
・ノリ(C)
→場のノリに乗ることができるスキル
・笑顔(D)
→場に笑顔でいることができるスキル

※Aが最も難しく、Dが最も簡単

私、たかむらのポジション

・コミュ障(Cランク)に位置する
・吃音症のため話す間・テンポが悪く、笑いを作ることが苦手
アダルトチルドレンであり、人との関係をうまく築くことが苦手
・幼少期を笑いのない家庭で育ったため、笑いに希薄
(コミュニケーション能力は五歳までで決まる/主治医曰く)
・ノリ(C)、笑顔(D)のスキルはある

 

現状

本音は飲み会に参加したくない。しかし、参加すれば上司や先輩と仲良くなれるチャンスがある。だから、参加しないことはそのチャンスをみすみす逃していることになるっため損である。
しかし、参加したところで コミュ強 でなければ得をすることは難しい。
コミュ障害は、どのようにすれば得できるだろうか?得できないまでも、損をしない落とし所はどこだろうか?
 

対応策

1.場数を踏む
2.顔をおぼえてもらえればいいやと割り切る
3.媚びる
4.自分のためでなく、場のためにノル・笑顔する
5.自分のキャラを立てる

※太線が、今後採用してみたい対応策


~私が参加している当事者研究会~

東京当事者研究ミーティング Meetup

HP
Home - Tokyo TOJISHA-MTG Meetup

元部下が自殺した話

会社の飲み会の最中、携帯が鳴った。
一年前に退職した会社の部下(以下Y)からだ。私が一週間くらい前に電話した、その折り返しだろう。
電話に出ると相手はYではなく、Yと交際していた女性(以下 Aさん)だった。


Aさん「初めまして、Yと交際していたAと申します。」
私「初めまして、Y君は?」
Aさん「あの…お電話をいただいたようなので、お伝えしなければならないと思い、折り返したのですが……」
私「はい」
Aさん「実は……Yは自殺しました。つい先日葬儀を終えたばかりです。」
私「そうですか………御冥福をお祈りいたします。」


私はAさんにYの墓参りをしたい旨を告げ、Yの実家の連絡先を教えてもらい電話を切った。
そして、もやもやした何かを抱えながら飲み会の席へと戻った。

飲み会からの帰り道、私はYのことを考えずにはいられなかった。
一年前まで共に働いていた部下が自殺した、それはもちろんある。しかしそれよりも、Yが自殺した理由に思い当たる節が私にはあったのだ。


Yは私よりも3、4つ歳下で仕事ができる優秀な部下だった。いわば右腕のような存在だった。
二年ほど共に働いたであろうか、Yはやや欠勤が多かった。二度ほど一週間無断欠勤をしたことがあった。
一度目は軽く聞くにとどめたが、二度目ともなるとちゃんと理由を聞かないわけにはいかない。

数日後、Yとサシで飲みに行った。
初めはたわいのない会話をし、互いに軽く酔ったところで、とがめない形で理由を聞いた。
Yはひと通り理由を述べ、そして最後にこう言った、「もう死にたい…」と。
Yが「もう死にたい…」と言った後、私はYにどのような言葉をかけたかはおぼえていない。Yも「もう死にたい…」言った切り、自分のことを話すことはなかった。


もし当時、私にうつ病の知識があったなら、もし、Yが「もう死にたい…」と言ったときにもう少し話を聞いてあげることができていれば、そう思うことがないと言えば嘘になる。

しかし、Yと働いていた当時、精神障害で最もメジャーなうつ病ですら、社会における認知度や理解度は今よりはるかに低かった。私もうつ病という名前こそ知っていたものの、その知識はなかった。むしろ「うつ病なんて甘え」「うつ病なんて気持ちの問題だ」、そう思っていた。

今ならYの言った「死にたい…」の意味がわかる。なぜなら、Yの訃報を聞いたとき、私自身うつ病に羅漢していたからである。